ロシアのセキュリティベンダー、Kaspersky LabのEugene Kaspersky氏が、ロシア国内で企業買収を予定していることを明らかにした。情報セキュリティEXPOの初日、5月13日にZDNet Japanのインタビューで答えた。
Kaspersky氏はIT業界の再編に関わる記者の質問の中で、特に「OracleのSun Microsystems買収について、どう考えているか?」という問いに答えるかたちで、企業買収について触れた。
「不安定な市場において、巨大企業(Oracle)がその体制をより強固なものとするために(Sun Microsystemsを)買収したと考えている。規模は異なるが、我々も企業買収のために動いている」(Kaspersky氏)
不意に飛び出したこの発言に対して、記者は、どの企業を、日本でどんな花が咲く頃に、どのようなかたちで買収するのか、続けて質問した。
「どの企業であるか、どの花が咲く頃か、どういう形式になるかは、何も言えない。しかし、現在の経済状況なり今後の見通しを考えた場合、1社単体で生き残れないと自覚しているベンダーがロシア国内にいくつかある。こうした状況で、その企業の優秀なプログラマーを何人か雇う(かたちで吸収する)といった動きはある。企業を丸ごと吸収合併することはないだろうが……」(Kaspersky氏)
続けて、今回の企業買収の目的について聞いた。
「企業買収の目的は大きく2つある。技術や人を自社のものにしようとするか、その企業が持っている市場を自社のものにするか、だ。我々は現在大きく成長している段階にあるため、後者は必要ない。そのため、(意図としては)前者の方になる」(Kaspersky氏)
どのような企業を買収するのかは明かさなかったが、この発言から情報セキュリティに関する技術を持つ企業と交渉中であるとも推測できる。最後にOracleのSun Microsystems買収について、次の語っている。
「Oracleは非常にリーズナブル(な価格)で、Sun Microsystemsを獲得した。全く新しい分野に進出していく道を手にすることになるため、Oracleにとっては良いチャンスになるだろう。もちろん我々にとってもウェルカムだ」
「IT市場はまだまだ若く、成熟した市場ではない。今後もまた、何度も再編が起こると考えている。自分が年金生活に入るまでに、あと3回はあると思う……いや、計算し直してみたら、あと5回はあるな(笑)」(Kaspersky氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」