ここで、Googleが提供するサービスと、そのサービスでGoogleが入手できる個人情報について考えてみよう。
「Googleは検索サービスを提供し、検索履歴でユーザーの興味が把握できる。Google Mapsでは、ユーザーがどこに行こうとしているのか、どの地域に興味があるのかがわかり、Google Latitudeでは携帯電話のGPSで友達がどこにいるかすぐにわかる。Google Calenderでは、ユーザーの予定もすべて把握でき、Google Talkで誰と何を話したかもわかる。Picasaで家族や友人の顔もわかるし、どこに遊びに行ったかもわかる。ああ、YouTubeに動画をアップロードすれば、もっと詳しい家族の状況がわかるね。Google Healthで健康管理か。すべて便利なサービスばかりだ」と、皮肉たっぷりに説明するWinkler氏。同氏はさらに「Google Street Viewは商用施設にとっては便利なサービスだが、個人宅で庭に子供のおもちゃがころがっていたり、垣根が高くて外からは見えにくい家がわかるというのはどうだろうか。また、Google Checkoutで大人のおもちゃを購入したことがばれたらどう思う?」と続ける。
つまりWinkler氏は、Googleがユーザーの生活のすべてを把握できることに危機感を覚えているのだ。「これだけの情報があれば、何かをしようと思えば何だってできる。もしこれらの情報を政府が入手しているとすれば、多くの人は激しく反発するだろう。それがGoogleがやっているとなると、クールだと言う。本当にこれはクールなことなんだろうか」とWinkler氏は指摘する。
では、われわれユーザーは一体どうすればいいのか。「私は誰にどうしろとも言うつもりはないし、Googleの提供するサービスが便利だということも理解している。ただ、何も考えずにすべての情報を彼らに提供してしまうのはどうかと思っているのだ。Googleの提供するサービスは、生活のあらゆる領域に達している。彼らはそのサービスを通じて、人には知られたくないようなあなたの好みも把握できている。ほかの誰よりあなたのことを知っているのだ。それでいいのかどうか、もう一度考えてみてほしい」とWinkler氏は言う。
「Microsoftが独占企業だと非難されているが、Microsoft以上に個人情報を持っているのはGoogleだ。ソフトウェアはデータなしには意味をなさない。そのデータを握っているのはGoogleなのだ」(Winkler氏)
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