検索エンジンで一躍有名になり、いまやテクノロジー企業として人気ナンバーワンとも言われるようになったGoogle。しかし、Googleは本当に「クール」で「カッコイイ」のだろうか。「確かにGoogleはすばらしい。私も株で大もうけさせてもらったし、感謝している。でも今一度、彼らがやっていることをよく考えてみよう」と、Internet Security Advisors Group 社長 兼 CEOのIra Winkler氏は言う。同氏は、米国で開催中のセキュリティカンファレンス「RSA Conference 2009」にて「Is Google Evil?」(Googleは悪なのか?)と題した講演を行った。
Winkler氏はまず、Googleがユーザーの検索履歴を保持していることに疑問を投げかける。「彼らは検索サービスを提供し、ばく大な数のウェブサイトをインデックスしている。そして検索の最適化のために、ユーザーの検索履歴を保有しているが、それを何カ月も持ち続ける必要があるのだろうか」とWinkler氏は指摘する。
「Googleは個人を特定できるような情報は持っていないと言うが、IPアドレスは保持している。たかがIPアドレスと思うかもしれないが、IPアドレスはCookieのようオフには設定できない。それにGoogleは、個人を特定できる情報はないとしながらも、実際にはGmailやGoogle AppsなどGoogleの提供するサービスを使う際にログインするよう要求している。ユーザーは当たり前のようにログインしてこれらのサービスを使っているが、これは本当に安全なことなのだろうか」(Winkler氏)
ここでWinkler氏は、「嫌われ者のMicrosoftと、皆がクールだと言うGoogle」を比較した。Microsoftは、生活のすべてをWindowsにて提供したいと考えている。そうすることで、彼らのソフトウェアが売れるからだ。Microsoftは個人のデータを入手しようとはしておらず、ソフトウェアの販売のみに注力している。
一方のGoogleは、ソフトウェアを販売しようとはあまり考えていない。生活のすべてをサービスで提供し、提供するサービスで得られたユーザーのデータを管理している。Microsoftとは全く違うアプローチだ。「『さすがGoogleはMicrosoftと違ってクールだ。斬新的な企業はやることが違う』と皆声をそろえるが、この意見は昔、Microsoft支持者が言っていたことと似ている」とWinkler氏は指摘する。
「例えば、試しにEric Schmidt氏をはじめとするGoogleのエグゼクティブをGoogleでサーチしてごらん。あまり重要な情報が出てこないだろう。過去にCNETでSchmidt氏の情報が公開されたこともあったが、現在こういった情報が出てこないのは、Googleが検索をコントロールしているからだと思わないか?」(Winkler氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス