Symantecは米国時間3月10日、同社製品「Norton Internet Security」および「Norton Antivirus」の2006年版と2007年版を対象とした診断パッチを3月9日夜にリリースしたと述べた。だが、このパッチには署名がなかったため、ユーザーのファイアウォール上で警告が出る状態になっていたという。
このパッチは「PFST.exe」という名称のプログラムで、当該製品を使用するコンピュータの台数やOSの種類に関して、匿名の統計データを収集するために配信された、とSymantecのコンシューマー事業部門グループ製品マネージャーJeff Kyle氏は3月10日に述べた。
Kyle氏によれば、人為的ミスによりパッチには署名がされていなかったため、ファイアウォールを通る際、パッチが信頼できるものかどうかをユーザーに尋ねるメッセージを表示するようになったという。ユーザーは当然、Symantecからのものであることを示す署名がないパッチを信頼してよいかどうか判断できず、答えを求めてNortonのユーザーフォーラムを訪れた人も大勢いた。
Symantecは、3時間後にパッチを引っ込め、その後フォーラム上からこの問題に関する投稿を削除し始めたが、こうした対応は図らずも陰謀論者に格好の材料を提供してしまった。Kyle氏によれば、同社は投稿を検閲したのではなく、スパム攻撃を追い払っていたという。
「当社がパッチを取り下げていたのと同じ時間に、スパマーが当社のフォーラム上で新たなアカウントを作成し、数分後には200もの新規ユーザーが同一のスレッドに殺到した。このスレッドに最初の1時間以内で約600件の投稿があった。ボットが投稿を生成していたのは明らかだった」(Kyle氏)
殺到した投稿は、ひどい文法のくだけた英語で書かれており、下品で無意味なものもあった。だがKyle氏は、Symantecがスパムを削除している間、まっとうな投稿の一部を誤って削除してしまった可能性もあると述べた。
「陰謀論のようなものとは無関係だ。当社が隠れて悪だくみをしているようなことは一切ない」と、Kyle氏は付け加えた。
一方でKyle氏は、Symantecが今後パッチを再配信するかどうかや、その時期については分からないが、再配信するならば署名が添えられるだろう、と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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