トレンドマイクロは5月8日、2008年4月のインターネット脅威マンスリーレポートを発表した。同社はこれまでウイルス感染被害マンスリーレポートを提供してきたが、このレポートでは、従来のウイルス・不正アクセス届出状況の感染報告数ランキングに加えて、不正プログラムの収集データも踏まえて分析している。
発表によると、4月のウイルス感染被害の総報告数は3450件で、3月の4029件から減少している。しかし、USBメモリなどを媒介とする「MAL_OTORUN1」が2月から3カ月連続で1位を維持しており、リムーバブルメディア経由の感染が定番化している事実がうかがえるとしている。
一方で、4月に収集した新しい不正プログラムの検体では、広告を表示する「アドウェア」が1位であり、新規全体の30%を越える結果となった。また、悪意のウェブサイトを巡回し検体を収集する「Web Crawler」で取得した検体数ランキングでは「ADW_TRYMEDIA.IF」が総取得数、品種ともに最も多く収集された。
ADW_TRYMEDIA.IFは、特定のオンラインゲームを配布するためのプログラムで、ユーザーが悪意のウェブサイトにアクセスした際に、気づかないうちにダウンロードされるもの。レジストリを改変してゲームを自動的に起動したり、外部と通信して勝手にポップアップを表示したりするなど、ユーザーにとって不利益な活動を行う。
被害報告数において「TSPY_ONLINEG」が6位に入るなど、オンラインゲーム関連の不正活動が活発化しているため、トレンドマイクロはユーザーに対し不審なウェブサイトへのアクセスやIDやパスワードの管理に十分注意し、ゲームを楽しむよう呼びかけている。
4月度の不正プログラム感染被害報告数ランキングでは、1位が「MAL_OTORUN1」(110件)、2位がJavaScriptで書かれた「JS_IFRAME」(49件)、3位がバックドアである「BKDR_AGENT」(37件)となった。なお、このランキングは2008年3月1日から3月31日までに、日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられたウイルス被害件数をもとにランク付けをしたもの。
日本でのゴールデンウィーク期間中には、イタリアでウェブサイトが改ざんされ、悪意のあるサイトへのリダイレクトにより不正プログラムに感染する事例が確認された。俳優や歌手の公式サイトの改ざんが確認されているという。
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