あるセキュリティベンダーによると、またもや犯罪行為を働くハッカーは、悪意のあるソフトウェアを犠牲者のPC上に埋め込むために、世界的なイベントをターゲットにしている。
MessageLabsは、この6カ月以内に、「北京2008オリンピック聖火リレー」や「国内オリンピック委員会と観戦チケット販売エージェント」といった件名の電子メールと関連する、少なくとも13種類の新たなトロイの木馬プログラムを発見した。
MessageLabsの関係者は、ハッカーの電子メールメッセージが、zip圧縮の添付ファイルにMicrosoft Officeのデータベースファイルを埋め込んで発信されていることが問題であると伝えている。Microsoftは、最近のセキュリティ勧告で、Windows VistaまたはWindows Server 2003を用いていない顧客は、乗っ取られたマシンに、攻撃者がリモートから完全にアクセス可能となる危険性があると警告した。
悪意のあるコードが1度インストールされてしまうと、攻撃者は個人情報を盗み出すことができるようになる。さらにMessageLabsは、悪意のあるコードの作成者が、1バイトのXORキー、その他の複数XORキー、ROR、ROL、ADD、SUBフォーマットなどを用いて、フォーマットを変更してくる危険性も予測している。
しかしながら、こうした電子メールは、無作為に発信されているのではない。MessageLabsは、トロイの木馬が、企業ネットワークへのアクセスを手に入れるため、特定組織内の個人を狙って仕掛けられていることを明らかにした。この手法は「スピアフィッシング」としても知られている。
個人ユーザーを狙った脅威とは対照的に、この種の攻撃は、企業に対する脅威ともなっているようだ。
MessageLabsの調査では、スイスの国際オリンピック委員会から送られていると騙る電子メールが多いものの、実際は大半が、アジアを拠点とするIPアドレスになっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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