テクノロジの将来を予測することは、決して簡単ではない。しかし、Symantecの最高経営責任者(CEO)であるJohn Thompson氏は米国時間4月8日午前、「RSA Conference」の基調講演でそれに挑戦した。
Thompson氏は、将来について3つの予測を示した。第1は、悪意あるソフトウェアの数が違法なソフトウェアを上回るために、いわゆるホワイトリストの必要性が高まる。第2は、ID管理が大企業を超えて広がり、世界中のすべて顧客が対象になり始める。第3は、デジタル著作権管理が、音楽やビデオだけでなく、あらゆるコンテンツで実現される、というものだ。
Thompson氏は、企業はこうした将来について今すぐ検討を始める必要があるとした上で、「私の考えでは、これは、情報を中心としたセキュリティの視点へと向かう根本的な変化を伴って始まるはずだ」と語った。Thompson氏の説明によれば、情報を中心としたセキュリティの視点というのは、極秘情報を保護する取り組みをリスクベースで行うことだという。同氏は、すべてのデータを保護するのではなく、最も重要なデータだけを保護すると述べた上で、「情報の使われ方についての洞察を得れば、リスク低減に役立つポリシーの策定に取りかかることができる」と付け加えた。
また、モバイル機器の拡大について触れたThompson氏は、コンテンツについて意識することの必要性を強調し、企業の周囲を監視するだけではもはや不十分だと語った。
「結局のところ、企業の情報を保護するという仕事は、IT部門だけではなくあらゆる人の仕事なのだ。自分たちのビジネスを成長させるためにわれわれの誰もが取り組まなければならないことは、さらに機敏に対応してすぐれた成果を上げ、すべてがつながれた世界の持つ可能性を100%実現することなのだ」と、Thompson氏は締めくくった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス