Microsoftは米国時間10月13日、セキュリティ監視プロセスに関連して、64ビット版Vistaのカーネルにアクセスする技術をセキュリティソフトウェアメーカーに提供すると発表した。同社はさらに、サードパーティーのセキュリティコンソールがインストールされた場合に、セキュリティ企業がWindows Security Centerの一部を無効にすることを可能にする予定だという。
Microsoftがこの2つの変更を行ったのは、欧州委員会に指摘された独占禁止問題に対応するためだ。世界的なアンチウイルスソフトウェアメーカーSymantecをはじめとするセキュリティ企業は、この2つの機能についてMicrosoftを公に批判するとともに、欧州独占禁止当局に不服を申し入れてきた。
セキュリティ企業はMicrosoftが発表したOSの変更予定に注目しているが、結果の判断は現物を見てからになる。
Symantecの広報担当者Cris Paden氏は「われわれはまだ何も目にすることができていない。これは技術的な問題だ。実際にAPIを見るまでは、メディアの発表以上のことを知ることはできない。今のところ何も実施されていない」と述べた。
Microsoftは13日の発表で、セキュリティ企業によるVistaのカーネルへのアクセスと、Windows Security Centerの一部無効化を可能にするため、APIを実際には提供することを明らかにしている。
Paden氏は「もしそれが本当なら、消費者が自由にソリューションを選択する権利を与えることになり、正しい方向への一歩となるだろう」という。
MicrosoftのSecurity Technology UnitディレクターAdrien Robinson氏によると、Windows Security Centerのアラートを抑止する技術は今週にも利用可能になるが、カーネル保護に関連するAPIはまだ開発中で、パソコンメーカーやCD工場へのVista出荷前には準備が終わらないだろうと述べた。
「ベンダーは、正規以外の方法でカーネルにアクセスしたり、カーネルを書き換えたりしないで欲しい。PatchGuardを完全に迂回して、自由にカーネルを書き換えることをベンダーには認めていない。セキュリティベンダーによるカーネルへのアクセスとPatchGuardを両立させる方法について、われわれは取り組む必要がある」と同氏は述べた。
カーネル保護とWindows Security Centerは、Microsoftとセキュリティ企業の間で大きな争点になっている。SymantecやMcAfeeらは、Microsoftがそれらの機能によって競争を阻害し、自社製品に不当に有利な状況を作り出していると非難してきた。
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