「AOLの二の舞にはならない」:グーグルCEO、検索情報の漏えい問題で

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月10日 17時44分

 カリフォルニア州サンノゼ発--Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏によれば、同社のユーザーは、自分たちのウェブ検索情報がAOLように公開されることはないという。

 Schmidt氏は米国時間8月9日、当地で開催されているカンファレンス「Search Engine Strategies」で基調講演を行った後、記者らに対し「Googleでは、情報漏えいがシステム的に起こらないようになっている」と述べた。「われわれが最優先にしているのはユーザーからの信頼だ。今回のような問題は信頼を裏切ることになる。そのため、このようなことは起こらないだろう、というのがわれわれの答えだ」(Schmidt氏)

 しかし、Schmidt氏は基調講演においては、少し用心深く「われわれは、Googleでは同じことが起こらないとかなりの自信を持って言える」と述べた後、「絶対にないとは決して言えないが」と付け加えていた。

 AOLは8月7日、同社が新たに立ち上げた研究サイトで利用するはずだったユーザーの検索ログデータを公開してしまった件について謝罪した。公開されたデータは無記名のものだったが、プライバシー擁護派によると、個人の身元を特定できるようなデリケートな情報や個人情報が含まれていたという。

 Schmidt氏は講演で、「データを公開したことはよい考えとはいえないと思う」と述べ、「Googleには公開できない情報がたくさんある・・・ユーザーの検索データがその筆頭だ・・・私は常に、そういったデータを詮索したがるのは政府だと考えてきた」と付け加えた。

 Schmidt氏は、同種のデータの開示を求める米司法省からの要求をGoogleが拒んだことを挙げ、「あの件は、われわれがこの問題をいかに重視しているかを示すものだ」と述べた。なお該当の裁判では、開示範囲が元の要求よりも制限され、Googleの主張が一部認められたかたちとなった。

 同氏は、中絶に関係する医療施設や医師の住所を公開する反中絶サイトといった、デリケートなデータを公開するウェブサイトへの不満を表明した。同氏は、「Googleは単に情報を収集しているだけであり、そういった情報を公開する人々は、公開するに足る理由を持っていてしかるべきだ」と述べている。

 「まだ救いなのは、こういったサイトが(検索結果の)上位に表示されず、おかしな考えを持つ人々の数が少ないことだ」と述べるSchmidt氏は、「われわれは、Googleが世界中で建設的な使われ方をしてほしいと考えているため、この手のことをとても憂慮している。われわれは、そういった情報すべてを利用可能にすることの重大さを理解している。それゆえに、われわれの行動は評価されている」とも述べた。

 個人情報漏えいに関して、Time Warnerの子会社であり、Googleが株式の5%を有するAOLと議論したかと問われたSchmidt氏は、他の企業と「交渉中」であったため、個人的には何も連絡していないと答えた。「私はAOLを非難するつもりはない。彼らはGoogleのよきパートナーだ」(Schmidt氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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