米連邦取引委員会(FTC)は、スパイウェアをはじめとするインターネット上での不正行為に対抗する重要な武器になるとして、Whoisのオープン性を維持する必要があると主張している。
FTCは米国時間6月27日、ウェブサイト運営者のコンタクト情報などが含まれるWhoisデータベースへのアクセスは「消費者を保護するための法的措置を遂行するうえで極めて重要」だと述べた。今回の主張は、Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)がWhoisのデータの利用を「技術目的」だけに厳格に制限すべきだとFTCに勧告したことを受けて行われた。
FTCのJohn Leibowitz長官は今週モロッコで開催されたICANNの会合においても、インターネット上の詐欺行為やスパムなどの不法オンライン活動の実行者を捜査官や弁護士が調査するうえでWhoisのデータが役立ったと発言している。
「Whoisデータベースは、FTCの捜査官が不正行為をはたらく者を特定する際に最初に利用するものの1つである」とLeibowitz長官は述べた。
Whoisのデータが活用された例としては、企業7社が法律で義務づけられた警告を表示せずにわいせつ画像入りの電子メールを送信しようとしたところを捜査官によって阻止されたことが挙げられる。Leibowitz長官は、Whoisのデータに自由にアクセスできなかったらこうした問題を防げたかどうか「分からない」という。
「ICANNによってWhoisのデータの利用が技術目的だけに制限されてしまったら、FTCはネット犯罪者を迅速に特定できなくなってしまう。つまり、詐欺行為やスパムメール、スパイウェアなどの迷惑行為が、一般の消費者のマシンに及ぶのを防げなくなってしまうのだ」とLeibowitz長官は述べた。
ただ同氏は「不正確なデータはFTCの調査を大きく妨げるため、FTCでは関係機関に対して情報の精度向上に努めるよう依頼してきた」と述べ、Whoisデータベースに登録される情報の正確性を確保することの重要性についても指摘している。
もっとも、同氏は不完全な状態の情報でも役に立つことがあるとも付け加えている。例えば同氏は、登録者名などに虚偽の情報を入力した複数の業者を、コンタクト情報などを元にして特定できたケースがあることに言及している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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