OneCareへの対抗策として、SymantecとMcAfeeは統合的なパッケージ製品を準備中であることを発表している。両社によれば、同製品は現行のセキュリティ、PC最適化、バックアップ製品を一体化したものになるという。もっとも、現時点では製品計画が明らかになっているだけで、実際のソフトウェアは公表されていない。
McAfeeは、「Falcon」のコードネームで呼ばれる統合型セキュリティ技術を利用した4バージョンの製品を、2006年の夏にも出荷する予定だ。またSymantecは、以前は「Genesis」と称していた製品を「Norton 360」と改名し、2007年3月末までにリリースする。当初同製品は、2006年9月に提供が始まるはずだった。
同市場には競合製品が少なく、あるいはテスト版しか提供されていないのが現状だが、これは既存のセキュリティベンダーにとって好ましい傾向ではない。Hallawell氏は、「消費者向けのマネージドセキュリティサービスの提供にいち早く動いたMicrosoftには、先発者としてのアドバンテージがある」と述べている。
ただし、それぞれの初期製品の機能を比較すると、OneCareは不足している部分もある。例えばSymantecは、Norton 360にオンラインバックアップ機能を実装し、同社のサーバにユーザーの重要なデータを保存できるようにするという。今のところ、MicrosoftのOneCareは同様の機能を持っておらず、データは外付けハードドライブやCDもしくはDVDにバックアップするしかない。
さらに、OneCareにはスパムフィルタリング機能や、フィッシング詐欺で用いられる情報取得用のウェブサイトに対する保護機能が搭載されていない。代わりにMicrosoftでは、「Windows Live」と「MSN Search」ウェブブラウザのツールバーにフィッシング対策機能を実装し、提供している。
Hallawell氏によれば、「Symantecはマネージドサービスに多数のオプション機能を盛り込んでいく」見込みだという。
それでもなお、Microsoftやその他の企業との競争に直面している既存ベンダーは、製品価格を下げざるを得なくなるだろうと、アナリストは指摘している。Forrester ResearchのアナリストNatalie Lambert氏は、SymantecとMcAfeeは新製品の価格をまだ発表していないが、Microsoftからのプレッシャーがこれを押し下げることは間違いないと話した。
さらに同氏は、「価格面ではMicrosoftに軍配が上がる」と述べ、コストを何より気にする消費者にはこの点が大いに受けるので、同社の立場はきわめて有利になるだろうとした。
OneCareの年間使用料金は49.95ドルで、最大3台の「Service Pack 2」適用済み「Windows XP」マシンで利用できる。SymantecおよびMcAfeeが現在販売しているセキュリティスイートの3ユーザー向け版は、それぞれ119.99ドルおよび129.99ドルとなっているので、OneCareはずいぶんと割安だ。もっとも、これは両製品の定価である。ここから大幅に値引きされるのが普通で、しかも両者には新製品が備えているほどの幅広いツールは搭載されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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