セキュリティ企業McAfeeは、リリース予定のセキュリティ製品「Falcon」のバージョンが4種類あることを米国時間6月7日に明らかにした。同社が新製品を1つのパッケージにまとめず、4つのバージョンを用意した背景には、ライバルのSymantecやセキュリティ市場に新規参入したMicrosoftに対抗する狙いがある。
これら4つのバージョンは、それぞれ包含するセキュリティ機能の数が異なっており、消費者は自分にとって不要な機能が含まれていないパッケージを選べるようになっている。また複数のバージョンを用意することにより、より高価なパッケージをプレミア価格で販売することも可能になる。この点、Microsoftの「OneCare」やSymantecの「Norton 360」は、「one-size-fits-all」すなわち、1種類のパッケージで全ての問題に対処できる点を売りにしている。
McAfeeで製品管理担当ディレクターを務めるMarc Solomon氏によると、ウイルス対策、スパイウェア対策、ファイアウォールといった基本的なセキュリティ機能については、これら4製品全てに含まれているという。また、それらの4製品には、ウェブ検索結果の格付けを行うSiteAdvisorや、ハードドライブのデフラグといったタスクを行うPC保守ツールも含まれているという。
「われわれは、全ての消費者に画一的なサービスを押し付けるのではなく、4人の消費者のプロフィールに合わせた4種類の特別なサービスパッケージを作った」(Solomon氏)
McAfeeは5月30日にFalconを発表した。Falconとは、同社がこれら4つの新製品を開発する上で基礎としている統合技術のコード名だ。現在、McAfeeが開発を進めているそれらの新製品は、間もなく発売されるSymantecの新製品や最近発売されたばかりのMicrosoftのバンドル製品「Windows Live OneCare」と競合することになる。
Solomon氏は新製品について次のように説明している。まず、4バージョン中、含まれるセキュリティ機能数が最も少ない最下位版は「McAfee VirusScan Plus」で、この製品には基本的な機能しか盛り込まれていない。次に機能数が少ないのは「McAfee PC Protection Plus」だ。この製品はバックアップ機能を備えており、ユーザーはCD、DVD、外部ドライブ、ネットワークドライブにデータのバックアップを取ることができる。
4バージョン中、セキュリティ機能数が2番目に多い「McAfee Internet Security Suite」は、下位の2つのバージョンに含まれる全ての機能を備え、さらにフィッシングやスパムへの対策機能やペアレンタルコントロール機能を備えている。また同スイートは、クレジットカード番号などの個人データがインターネットに送信されそうになるとユーザーに警告を発する、個人情報盗難の防御機能も備えている。
4バージョン中最上位の「McAfee Total Protection」は、無線ネットワークセキュリティ機能を備えており、この機能が唯一、McAfee Internet Security Suiteにはない機能だ。
MicrosoftやSymantecと同様に、McAfee も使いやすさをFalcon製品の売りにしている。同製品群はサービスとして販売され、消費者は定期的に利用料を支払うことになる。MicrosoftとSymantecも、それぞれWindows Live OneCareとNorton 360をMcAfeeのサービスと同様のセキュリティサービスとして提供するとしている。
Solomon氏によると、McAfee Total ProtectionとMcAfee VirusScan Plusのベータテスト版は6月中にリリースされる予定で、最終製品の発売時期は2006年夏を予定しているという。同製品の価格はまだ発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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