米国土安全保障省の発表によると、同省が新たに設置したインフラ保護のための諮問委員会は、会議と手続きの公開を義務づけた法律に縛られないという。
新設された重要インフラストラクチャセキュリティ諮問委員会(Critical Infrastructure Partnership Advisory Council)は、コンピュータネットワークを含む米国内インフラを保護するための情報の共有について検討を行う。国土安全保障省長官Michael Chertoff氏は安全保障上の理由を挙げて、同委員会を連邦政府諮問委員会法(Federal Advisory Committee Act:FACA)の規制から外すことを決めた。
この措置については多くの民間業者から強い要望が出ていた。このたびの決定は米国時間3月24日の公告で明らかになった。
同諮問委員会では少なくとも年4回の会合を開く予定で、さまざまな連邦政府機関の職員や民間の代表者が集まって、いまだ草案段階の国土安全保障省のインフラ保護計画について議論する。関係する分野は、農業やエネルギーから情報技術、電気通信まで幅広い。米国通信協会、米国セルラー通信工業会、そしてインターネットのセキュリティサービスを手がけるVeriSignからも代表者が参加する。
国土安全保障省によると、同諮問委員会のメンバーがFACAの遵守を求められれば、「国家の安全に関わる機密情報」の共有に大きな妨げとなるという。
1972年に制定されたFACAは、こうした会合は原則として公開で行い、議事録も作成して公開しなければならないとしている。また、会議を非公開にする場合は、15日前に通告しなければならないとも定められている。国土安全保障省が特に懸念しているのは、この最後の点だ。非公開の緊急会議を開く場合、十分な時間的余裕をとって事前に通告できない可能性があるからだ。
国土安全保障省は2003年9月の政府監査報告書に触れ、民間側は極秘データが不適切な者の手に渡ることを恐れて、重要な情報を連邦と共有することに難色を示し続けていると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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