Microsoftは米国時間2月7日、2006年6月に新たなセキュリティ製品「Windows OneCare Live」をリリースする予定であることを発表した。同製品は年額49.95ドルで利用でき、最大3台のPCをウイルスやスパイウェアなどの脅威から保護するという。
Microsoftは、以前からの予想通り、OneCareで消費者向けウイルス対策市場への参入を果たすことになる。この市場はこれまで、SymantecやMcAfeeをはじめとする専門ベンダー各社の独占状態にあった。2003年6月、Microsoftは、ルーマニアのウイルス対策ソフトウェアベンダーGeCad Softwareを買収し、ウイルス対策製品を発売する意向を表明していた。
OneCareは、ウイルス対策、スパイウェア対策、およびファイアウォールの各ソフトウェアと、バックアップ機能および複数の調整用ツールをWindows PC向けに組み合わせた製品だ。Microsoftは、同製品をオンラインと小売店で販売していくと述べている。
OneCareは、Microsoftがソフトウェアを一般消費者に提供する通常の手順に従って販売される。同社のWindows OneCare Live部門ディレクターDennis Bonsallによれば、まずは90日間有効な無料テスト版を配布し、その後PCメーカーと協議して、新しいコンピュータにOneCareを搭載することになるという。
OneCareの購入者は、「Service Pack 2」を適用したWindows XPが稼働する最大3台のコンピュータに同製品をインストールできる。3ユーザー向けのSymantecおよびMcAfeeの競合セキュリティスイート製品の価格は、それぞれ119.99ドルおよび139.99ドルとなっており、OneCareはこれらに比べて割安であるといえる。ただし、SymantecやMcAfeeの製品は、大幅に値引かれている場合が多い。
ボストンに拠点を置くYankee GroupのアナリストAndrew Jaquithは、「最大3ライセンスまで利用できるというのは、非常に割安感が大きい」と話す。「消費者にとっては手軽な製品で、家庭やSOHO(small office, home office)スタイルの事業で利用するのに大変適している」(Jaquith)
また、OneCareは、電子メールやオンラインチャットもしくは電話によって、無料のサポートサービスを受けることができると、Microsoftは述べている。SymantecおよびMcAfeeは、サポートサービスの提供に対し月額料金を必要としており、たびたび批判の的になっているが、Microsoftの製品はこの点でも差別化が図られている。
MicrosoftはOneCareに関する計画を2005年5月に発表していた。そして、要請を受けたテスターが2005年7月からテストを重ね、同年暮れには公開テスト版がリリースされていた。現在では、17万人がOneCareのテストに参加している。テストへの参加者は、2006年4月に同製品の利用を申し込むと、協力の見返りとして、年間19.95ドルの割引を受けられると、Bonsallは話している。
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