セキュリティ企業のSymantecは米国時間3日、インスタントメッセージング(IM)システム保護市場の最大手IMlogicの買収を発表した。この買収により、Symantecは、立ち上がったばかりの同市場へ進出することになった。
買収金額は公開されていないが、Symantecでウェブセキュリティのシニアディレクターを務めるCarlin WiegnerはCNET News.comのインタビューに応じ、Symantecは社員100人を抱える非公開企業のIMlogicを、全額現金で買収することに合意したと述べた。買収完了は3月中を見込んでいるという。
IMlogicはボストンに本社を構えるベンダーで、主力製品は「IM Manager」である。同製品は公衆および企業専用のIM網を保護しつつ、IMトラフィックの監視やアーカイブ機能を提供する。
セキュリティ企業はこれまで、主として電子メールサーバーの保護に重点を置いてきた。しかし、IM利用の増加を受け、保護範囲をIMにも拡大しはじめている。2005年11月には、電子メールとウェブセキュリティのホスティングサービスを提供するMessageLabsが、セキュアなIMプラットフォームのホスティングサービスを提供する非公開企業のOmniPodを買収している。
「IMに関する傾向を調査した結果、実に多くの企業がIMを利用していることがわかった」とWiegnerは述べた。「IMは大きな市場になると見込んでいる。だが、問題はIMも電子メールとおなじリスクを持つ点だ」(Wiegner)
IMlogicは3日、IMネットワークへの攻撃は2005年12月、前年同期比で826%増加したと報告している。
今回のIMlogic買収は、SymantecがIMセキュリティ市場に進出するだけでなく、この2年間続いている同社の買収熱がいまだに冷めていないことを裏付けるものともいえる。過去2年間で、Symantecは、BindView Development、Brightmail、Liric、Sygate Technologies、Turntide、WholeSecurity、およびストレージ大手企業Veritas Softwareを買収している。2005年10月には、Symantecは年間6〜8企業を買収し、18カ月に1社の割合で大手企業を買収する計画だと言われていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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