ソニーBMGが、問題のコピー防止機能付きCDの製造を中止することになった。
同社は米国時間11日にこの決定を明らかにした。この技術は、CDのコピー回数に制限をかけ、コンピュータユーザーが勝手にコピーできるMP3ファイルをつくれないようにするためのものだが、この技術を悪用したウイルス作者がPCに悪質なコードをひそかに埋め込み、見えなくするおそれがあるとして、10日ほど前から議論を呼んでいた。また、先週には、この技術を悪用してリモートからPCを乗っ取るトロイの木馬が早くも登場していた。
ソニーBMGは11日に、「XCPコンテンツ保護ソフトウェアを搭載するコンピュータに影響を与えるコンピュータウイルスが出回ってことは認識している」とする声明を発表した。「われわれは、自社と所属アーチストの知的財産権を保護する重要なツールとしてコンテンツ保護技術を支持する。ただし、今回は予防措置として、XCP技術を組み込んだCDの製造を一時中断することにした」(ソニーBMG)
ソニーBMGによると、同社では別のコピー防止技術を搭載するCDの製造まで中止するわけではないという。同社はほかにもSunnCommの開発した同様の技術を採用しており、このソフトウェアを組み込んだCDについては今後も製造を続けると、同社関係者は語った。
英国のFirst 4 Internetが開発したXCPソフトウェアは、My Morning JacketやVan Zantの最新リリースなど、ソニーBMGの一部のタイトルに搭載されている。これらのCDをPCで再生しようとすると、同意文が表示されるが、ユーザーが同意のボタンをクリックするとこのコピー防止ソフトウェアがハードディスクにインストールされてしまう。
ソニーBMGは、XCPソフトウェアに対する激しい批判を受け、CDをコンピュータ上で再生できるようにしたままセキュリティの問題を解決するパッチも用意した。また、一部のウイルス対策ソフトウェアは、ソニーBMGのこのツールを検知して、ユーザーが自分のPCを守れるようにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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