米国時間11日に明らかにされたWindowsの脆弱性を悪用するコードが早速開発されたが、これはワームによる攻撃が近づいていることを示す兆候といえる。
専門家が13日に明らかにしたところによると、Microsoftが今週修正パッチを用意した14件の脆弱性に対し、それを悪用するエクスプロイトコードが4種類存在するという。このうちの1つはMicrosoftが「緊急」に分類する脆弱性を悪用したものだ。この脆弱性は「Microsoft Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)」と呼ばれるトランザクション処理用のWindowsコンポーネントに存在している。
Symantec Security ResponseのシニアディレクターAlfred Hugerは、「エクスプロイトコードが出始めると、必ず悪質なコードも出てくる。少なくともMSDTCの脆弱性を悪用するワームが近日中に出回るものと想定している」としている。
このエクスプロイトコードは、Microsoftが脆弱性に関する情報を公表してから24時間以内に作成されたが、Hugerによるとこれはエクスプロイトコード登場までの平均時間に比べ、ずいぶん早いという。
「過去2年間の、脆弱性の公表からエクスプロイトコード登場までの平均時間は4〜5.8日だった」(Huger)
専門家らは、MSDTCの脆弱性には2カ月前に大混乱を招いたZotobワームのような攻撃を引き起こす可能性があるとし、Microsoftが11日にパッチをリリースした時点で既に注意を呼びかけていた。Microsoftも、特にWindows 2000やService Pack 2を適用していないWindows XPのユーザーに対し、セキュリティ情報MS05-051で公表したこの欠陥を修正するアップデートを優先するように述べていた。
MSDTCのエクスプロイトコードは一般には出回っていないが、専門家らは、これが公開されるのも時間の問題だ、との予測を示している。このコードはセキュリティベンダーのImmunityが自社の侵入テスト製品ユーザー向けに開発したもので、同社はさらに、Windowsのプラグ&プレイに関する欠陥(MS05-047)や、Novell NetWareネットワークをサポートするコンポーネントのバグ(MS05-046)に対応したエクスプロイトコードも開発した。
さらに、iDefenseディレクターのMichael Suttonによると、Windows FTPクライアントの欠陥(MS05-045)を悪用するコードもインターネット上で公開されているという。iDefenseは、VeriSign傘下のセキュリティ情報提供会社。
「早急にパッチを適用する必要がある。エクスプロイトコードが一般にも出回ることが予想され、特にMSDTCの問題に関するものはその可能性が高い」(Sutton)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力