人気の高い複数のウェブブラウザに、個人データの盗難に悪用されるおそれのある脆弱性が存在すると、セキュリティベンダーのSecuniaが注意を呼びかけている。
Secuniaは米国時間21日に公表したに勧告よれば、この欠陥を悪用すると、信頼できるウェブサイトの前面に、JavaScriptを使った悪質なポップアップウインドウを表示させて、フィッシング詐欺を行うことが可能になり、ウェブユーザーが誤ってパスワードなどのデータを入力してしまうおそれがあるという。
「問題は、JavaScriptのダイアログボックスがデータ発信元を明確にしていない点にある。そのため、信頼できるサイトが入力要求ダイアログボックスなどの新しいウインドウを開いているかのように見えてしまう」(Secuniaの勧告)
Secuniaによると、Internet Explorer、Internet Explorer for Mac、Safari、iCab、Mozilla、Mozilla Firefox、Caminoの最新バージョンはすべてこの脆弱性を悪用した攻撃を受ける可能性があるという。また、Operaによると、Opera 7と8もこの脆弱性の影響を受けるが、8.01は大丈夫だという。
サイバー犯罪者がこの欠陥を悪用するには、新しいブラウザウインドウのなかで、悪質なサイトからオンライン銀行などの本物のサイトへユーザーを誘導する必要がある。
Microsoftは、Secuniaの主張に関する調査を進めていると述べた。同社はIEユーザーに対し、アドレスバーやカギのアイコンが表示されていないポップアップウインドウは信用しないように呼びかけている。カギのアイコンがあれば、認証されたデータ発信元が表示している内容であることが確認できる。
Mozilla Firefoxの開発者は、このようなフィッシング詐欺への対策にすでに取り組んでおり、4月には信頼できるサイト以外が出すJavaやFlashベースのポップアップをブロック可能にするパッチを開発している。MozillaからSecuniaの主張に対するコメントを得ることはできなかった。
Operaでは、同社最新ブラウザの8.01ではポップアップのデータ発信元が表示され、ユーザーがURLをチェックして信頼できるサイトかどうかを確認できるようになったとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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