Symantecは、ニューヨークに拠点を置くインターネット企業を相手取り、この企業が作成したツールバーをアドウェアとして検出する権利を獲得するための訴訟を起こした。
Symantecの広報担当Cris Padenによると、同社は米国時間7日、Hotbar.comを相手取った訴訟をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所サンノゼ支部に起こしたという。また、今回の訴訟は、金銭的損害を求めるものではないとPadenは述べている。
今回の訴訟は、ある種の先制攻撃とも言える。Hotbarは2004年10月にSymantecへの最初の連絡を取っている。Padenによると、Hotbarは、Symantecが企業向けに提供しているウイルス対策製品がHotbar製プログラムをアドウェアとして検出することに不満を表していたという。
「この数カ月間、Hotbarと話し合いを続けてきた。その過程において、Hotbarは、Symantecを提訴すると定期的に圧力をかけてきた」とPadenは説明する。
Hotbarへ電子メールでコメントを求めたが、コメントは得られなかった。
アドウェアやスパイウェアに関するこのような議論はここ数年間続いている。アドウェアやスパイウェアを開発する企業は、これらのアプリケーションが正当なマーケティングツールであると主張する。アドウェアとスパイウェアという言葉の定義は難しい。PCユーザーの情報を盗み出すソフトウェアにも、フリーソフトウェアにバンドル提供される広告ツールにも、これらの言葉が多く使われている。
自社製品をアドウェアやスパイウェアと判断されたソフトウェアメーカーは、セキュリティ対策ソフトメーカーがそのようなレッテルを貼ることに対して、提訴も辞さないと圧力をかけるほど抵抗を頻繁に試みている。スパイウェア対策ツールを提供するMicrosoftは5月に、そのような訴訟を防止するため、スパイウェア対策法案の修正を上院に要請している。
Symantecが求めているのは、金銭ではなく、Hotbar製品が正真正銘のアドウェアであり、セキュリティ上のリスクと扱ってよいという確約を得ることだと同社では説明している。「裁判所に求めているのは、単に、Hotbarを検出するための権利だ」とPadenは述べる。Symantecの訴えが認められた場合、同社では、PCからツールバーを取り除きたい顧客を支援することが可能になる。
Hotbarのウェブサイトによると、同社は、MicrosoftのウェブブラウザであるInternet Explorer、電子メールクライアントであるOutlook/Outlook Express用のツールバーを提供しているという。Symantecは訴状において、問題のプログラムは、ウェブ閲覧時におけるユーザーの行動パターンから得られるキーワードやログ情報に基づいて、広告を表示すると主張している。また、考えられる使用目的として、ターゲットマーケティングを挙げている。
Padenによると、Symantec製品のユーザーからHotbar製品についての苦情が寄せられているという。ユーザーは、Hotbar製プログラムが何をしているかが不明で、削除もできないと述べていると、Padenは説明する。
また、訴状によると、Hotbar製プログラムは、ユーザーが他のソフトウェアをインストールしたときや、特定のウェブサイトを訪問したときなどに、ユーザーの気付かないうちにインストールされてしまうという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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