韓国MSNウェブサイトがハッキング攻撃を受けたことを示す形跡が見つかったと、Microsoftが発表した。同社によると、攻撃の目的はユーザー情報を盗み出すことだったと見られ、問題部分の修正は完了したという。
Microsoftの広報担当Adam Sohnによると、攻撃を受けたのは、MSN Koreaウェブサイトのニュースセクションだったという。同社は同サイトが攻撃されているとの連絡を受け、問題部分を修復するため5月31日の朝に2〜3時間ほどサイトを閉鎖した。
今のところMicrosoftでは、この攻撃による被害者が出たとの報告は受けていない。Sohnによると、同社は依然としてこの問題の調査を続けており、警察にも事件の調査と取締りを要請したという。
Sohnは、攻撃者らがインラインフレーム(IFRAME)機能を使って、韓国版MSNサイト内に新たな別のフレームを埋め込んでいたことが、初期調査で判明したと説明する。MicrosoftのInternet Explorerウェブブラウザには、IFRAMEの処理に関する脆弱性があったため、この機能は悪質な攻撃に利用される可能性があった。同社は2004年12月に、この脆弱性を修復するためのパッチを公開した。
攻撃者は、このIFRAMEの脆弱性を突くことにより、攻撃対象のPCを乗っ取ることができる。ただ、MicrosoftのWindows XP Service Pack 2を適用済みのPCに関しては、この欠陥は修復されている。
Microsoftは、他のMSNサイトに関しては同種の攻撃に対する脆弱性はないと確信している。Sohnによると、韓国版サイトは、米国やその他の国のものとは異なり、Microsoftではなく別の提携企業が管理していたという。「パッチをあてていないサーバがあったのかもしれない」とSohnは語る。恐らくこれが今回の不正侵入を招いた原因だろう。
Sohnによると、Microsoft自身のデータセンターでは、間違いなく全てのサーバが安全な場所に設置され、パッチも適用されているという。
韓国ではブロードバンドやモバイルインターネットの利用が盛んだ。MicrosoftのMSN部門にとって、韓国は重要な市場であり、これまでも同国で様々な新サービスを試行してきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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