ウェブポータルのLycos Europeが、スパムメールと戦うための新たな取り組みを開始した。この取り組みのなかで同社は、スパムメールで紹介されるウェブサイトをリクエスト攻めにするスクリーンセーバーを提供している。
同社は現地時間12月1日に「Make love not spam」と銘打ったキャンペーンを正式に開始した。このキャンペーンでLycos Europeは、スパムメールに記載されたウェブサイトに負荷をかけるよう設計されたスクリーンセーバーを配布している。
ユーザーが受信した電子メールに、Lycos Europeのブラックリストに載っているURLが記載されている場合、このツールはサイトにリクエストを自動送信する。大量のスクリーンセーバーを使って、同時に同じページをリクエストすることにより、サイトのパフォーマンスを低下させる仕組みだ。
Lycos Europeのサイトを見ると、同ツールを使えば「今すぐにでもスパマーを困らせる」ことができると書かれた広告が表示されている。
Lycos Europeによると、このツールは、サイトを完全にダウンさせる目的で作成されたわけではないという。送信されたスパムの量に応じてサイトに負荷をかけられるというのが、このツールの特徴だと同社は主張する。同社によると、このスクリーンセーバーシステムは、「ヘルスチェック」機能を用いて、リクエスト攻撃によってサイトがダウンしていないことを自動的にチェックするという。
Lycos EuropeのコミュニケーションディレクターMalte Pollmannによると、同社が扱う電子メールのうち90%が、スパムかウイルスメールだという。
サイトのパフォーマンスを低下させることにより、マーティングツールとしてスパムを利用することを業者にやめさせることが、この取り組みの狙いだとPollmannは述べる。処理しきれないほど大量のトラフィックをサイトに送信すれば、対応に追われるスパム業者の経済力が低下すると同氏は考える。
「われわれはスパムを阻止するために多額の資金や時間を投入している。それにもかかわらず、スパムは増加する一方だ。このことから、一部の人にとって、スパムがマーケティングツールとして機能していることが分かる」とPollmannは言う。「本当に(スパムを)阻止するためには、資金の流れに影響が出るような攻撃をしかけ、スパムから利益が生じないようにするべきだと決断した」(Pollmann)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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