ウイルス作者らが「Skulls」というトロイの木馬の2番目の亜種をリリースしたが、このなかには携帯電話に感染するウイルスが含まれていると、セキュリティ企業のF-Secureが警告を発している。
このハイブリッドなトロイの木馬「Skulls.B」は、Symbian OSが動作する携帯電話機で、プログラムアイコンを頭がい骨の図柄と入れ替えてしまうと、F-Secureは29日(米国時間)に公開した勧告のなかで述べている。同社によると、Skulls.BはまたCabir.Bワームもリリースするという。
Cabirは、被害者に感染したいかどうかを尋ねるウイルスで、出現当初は感染が可能かどうかどうかを検証するための実験的ウイルスだと考えられていた。このウイルスはBluetoothの到達範囲内にある他の電話機に自らを送信して感染を拡大する。
Skulls.Bに感染した電話機は、近くにある電話機にCabirを感染させるおそれもある。しかし、Skull.Bはダウンロードによってのみ感染可能で、Cabirは感染手段とはならない。Skullsは当初、Symbianのシェアウェアサイトで「Extended Theme Manager」として配布されていた。
Cabirに感染した携帯電話機では、スクリーンに「Caribe」という単語が表示される。Cabirは感染した電話機のSymbian OSを変更し、次のターゲットとなる他の電話機を探す。
F-Secureでは、Nokia、Siemens、Panasonic、Sendoなどのメーカー製携帯電話が、このウイルスに感染するおそれがあるとしている。同社は、感染した携帯電話から同ウイルスを駆除する方法を、自社のウェブサイトに掲載している。
Symbianは以前、Skullsの影響を受けるのはNokiaのSeries 60ソフトウェアが動く携帯電話だけだと述べていた。この点に関して、Symbianからはコメントが得られていない。
F-SecureのMikko Hypponen(ウイルス対策リサーチディレクター)は、Skullの設計から判断すると、その脅威は現時点では穏やかなものに過ぎないと述べている。だが、このプログラムはウイルス作者らが携帯電話機を標的にしたウイルスづくりにますます傾注していることを示している、とHypponenはいう。
「明らかに、いまは新たなプラットフォームができる初期段階であり、悪者らが携帯電話を攻撃するさまざまな方法を見つけようとして、いろいろな技術を試しているところだ。Skullの存在は、地下で携帯電話をターゲットとする活動が活発化し、それに向けたトロイの木馬やバックドアプログラム、ウイルスの作成方法に本物の関心が集まっていることを示している」(Hypponen)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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