ウイルス作者らが、Symbianベースの携帯電話を狙ったトロイの木馬プログラムをリリースした。これに感染すると、搭載アプリケーションが破壊され、そのアイコンが頭がい骨の図柄と入れ替わってしまうという。
ウイルス対策企業各社が「Skulls」と呼ぶこのプログラムは、Nokiaの携帯電話機向けフォーマット、Symbian Installation System用のテーママネジャーを偽装しているとF-SecureのMikko Hypponen(ソフトウェアウイルス対策調査ディレクター)は語っている。
Photo: F-Secure |
トロイの木馬型ウイルスのSkullsはシステムアイコンを変更し、電話以外の全機能を使えなくしてしまう。
これまでのところ、ウェブ上で同プログラムを見つけてダウンロードし、トロイの木馬を実行した人の数は少ない、と同氏はいう。
「感染した人は多くないし、ウイルスでもないため、感染が広がっているわけでもない」(Hypponen)
同プログラムは携帯電話やPDAに影響を及ぼす最新の脅威だ。今月はじめには、Delfと呼ばれるプログラムがPCに感染しているが、これはロシアの携帯電話ユーザーへのスパム送信を目的にしたものだった。ほかにも、MosquitoおよびCabirという2つの悪質なプログラムが、Symbian OS搭載電話機への感染を狙っていた。Cabirの作者らは、Windows CEデバイスへの感染を試みるバージョンも作り出している。
最新の脅威と同様、今のところ携帯電話への攻撃で広い範囲に拡大したものはない。
Skullsプログラムは、実行されるとSymbianシステムアプリケーションへのリンクをすべて破壊し、アイコンを頭がい骨の図柄と入れ替えてしまう。Hypponenによると、サードパーティー製アプリは影響を受けないという。また、Symbian以外のファイルマネージャをインストールしたユーザーは、この悪質なプログラムファイルを見つけ出して削除し、電話のデータをきれいにすることができるという。
一方、サードパーティー製のファイルマネージャを使っていないユーザーには、今のところハードリセットしか解決方法がない。その場合、電話機はデフォルトの工場出荷時の設定に戻ってしまう。残念ながら、この方法ではユーザーのデータもすべて消去されてしまう。
「実際には、電話機のデータをきれいにするのは困難だ。ネットには接続できず、修正プログラムもダウンロードできず、無線や赤外線通信もできない」(Hypponen)
このプログラムは、問題は引き起こすものの、大きな脅威にはならない。
それでも、これはウイルス作者が今後進もうとしている方向を示す手掛かりになる、とウイルス対策ソフトウェアメーカーSymantecのセキュリティ対策シニアディレクター、Vincent Weaferは語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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