サイバネティックスを専門とする英レディング大学教授のKevin Warwickは、再度サイボーグになれる日を心待ちにしている。
しかし、RFIDチップを腕に組み込み、自分の神経系をコンピュータに接続する同教授は、PCと同様に人間にもコンピュータウイルスが感染する日が来るだろうと警告する。
Warwickは先週、Consult Hyperionが英ロンドンで開催した第5回「Digital Identity Forum」で講演を行い、サイボーグでない人は将来、風変わりだと見なされるだろうと語った。
人間をコンピュータに接続することにはメリットがあると、Warwickは信じている。(人間をコンピュータに接続することは)「無限のナレッジ・データベース」への接続を意味するとWarwickは述べ、人間の改良につながると付け加えた。
現代コンピューティングを悩ますセキュリティの問題は、将来もサイボーグたちを悩ますだろう。「ソフトウェアウイルスと生物学のウイルスが1つになると見ている。セキュリティ問題は将来、さらに大きな問題になる」と同教授はいう。
人間同士がネットワーク化された世界では、ハッキングがさらに深刻な問題となる。そして、ハッカーに対する処遇は根本から変わるだろうとWarwickは述べた。現在のところ、ネットワークへの不法侵入者は、さほど厳しくとがめ立てされていないと同氏は述べ、人間がインターネットに接続された状態では大きく状況が変わると付け加えた。
Warwickは自分の体にRFIDを埋め込んでネットワーク実験を行っているが、誰かにハイジャックされるリスクを考慮して、自分の腕のIPアドレスを公開しなかった。
ネットワーク化された人間と言うと、縁遠い話のように思われがちだが、Warwickは現実的な目標を掲げて実験に取り組んでいる。Warwickは英国のStoke Mandevill病院と共同で、脊髄を損傷した人にこれを応用できないか研究している。たとえば、研究者たちは、人間が神経系から車椅子を操作できるかといったテーマについて、その可能性を探っている。
だがWarwickは、人間と機械を合体させるという考えは現時点では好意的に受け入れられていないと述べる。自分の体を使ったRFIDの実験について、Warwickは「多くの批判を受けた。どうしてなのか分からない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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