ラスベガス発--もしすべてが計画どおり進めば、来年2月、全米のハッカーが史上最大規模のインターネット攻撃を72時間にわたって仕掛けることになるだろう。
しかし、攻撃対象となるシステムは企業のウェブサーバやネットワークではなく、ハッカーが旗取りゲームの一環として設置・管理するコンピュータだ。攻撃終了時には、東海岸チームか西海岸チームのいずれかが勝者と認められる。
「われわれハッカーのなかには、誰かのマシンを乗っ取って、そのマシンからゲームに参戦する人がいる。われわれのマシンに関しては、攻撃の範囲を限定できる自信がある」とシアトルのセキュリティ団体Ghetto Hackersのメンバー「D.D.」は述べている。Ghetto Hackersはラスベガスで30日(米国時間)に開催された「Defcon」ハッキングカンファレンスで、このゲームの小規模バージョンとなるRoot Fuを実施した。同団体は3年に渡り、Defconでこの小規模な旗取りゲームを実施しており、ここでは8つのチームが閉じたネットワークのなかで互いに攻撃し合うルールになっている。
Ghetto Hackersでは来年、このゲームを全世界レベルで実施したいと考えている。Mega Root Fuと名付けられたこの新ゲームは、公共のインターネットを使って実施される初めての大規模なハッキングコンテストとなる。同グループはウェブサイトで、全米からのチーム登録を受けつけており、2月には参加者が1000人に達すると期待している。
Ghetto Hackersは米国最大のハッキング大会であるDefconでこのコンテストを宣伝していることから、参加チームを集めること自体は簡単だろう。しかし、ゲームがインターネットに影響を及ぼすのを防ぐのは、それほど単純なことではないかもしれない。Ghetto Hackersでは仮想プライベートネットワーク(VPN)のルーティング・暗号化技術を使って、インターネット上で稼動しながらも接続が分離されたネットワークを構築する計画だ。
ハッカーによる大規模な攻撃が行われる見込みとなったが、驚いたことにセキュリティ専門家らは全く動じていない模様だ。
「ほぼ間違いなく、攻撃範囲は限定されるだろう」と著名なコンピュータセキュリティ専門家で、ネットワーク監視サービスCounterpane Internet Securityの創立者であるBruce Schneierは述べている。「一部、インターネットに影響が出るおそれは確かにある。しかし彼らはワームやウイルスのように、大規模で制御不可能な攻撃を仕掛けるわけではない」(Schneier)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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