ドイツ市民に人種差別的な内容が記載された電子メールが大量に送付されている。
ドイツのマスコミの報道によると、電子メールは、Sober.Gウイルスに感染したコンピュータから送信され、人種差別的な内容のメッセージが書かれている。また、右翼系ウェブサイトへのリンクが張られているとのことである。
Sober.Gは大量メール送信型のワームで、感染したコンピュータから入手した電子メールアドレス宛てに自分自身を送信する。MessageLabsによると、同ウイルスは今年5月に発見され、英国、ドイツ、オランダでの被害が最も大きいという。
電子メールの大量送信は、現地時間の10日午前2時過ぎからドイツで始まった。電子メールの大半はロストク大学のコンピュータが発信元で、IPアドレスを基に特定の学生まで情報が絞り込まれている。だが、今のところロストク大学の職員や学生が関与した形跡は見られない。
右翼過激派が宣伝活動に大規模スパムを利用した例は今回が初めてだと思われる。これらの電子メールには、外国人に容疑がかかっている犯罪や、彼らによるドイツの社会保険システム悪用の例が記されている。ヨーロッパでの選挙が引き金になって、今回のスパム攻撃が起きたと推測する人も多い。
この攻撃については現在、ドイツ警察が捜査中だ。ドイツのニュースサイトHeise Onlineによると、Sober.Gウイルスによって生成されるテキストファイルの中から、このワーム作者のメッセージが見つかっているという。このメッセージには、北欧神話の神「Odin」の名が記されている。ドイツの右翼団体は、昔から北欧神話に言及することで知られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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