Zone Labs社、パーソナルファイアウォールソフトの日本語版を無償提供

 「ブロードバンド時代、すべてのユーザーにとってインターネットセキュリティは基本的権利である」。パーソナルファイアウォールソフト「ZoneAlarm」を提供するZone Labs社は5月11日、日本市場に向け、同社初の日本語版となる「ZoneAlarm 4.5」を無料で配布すると発表した。あわせて製品版「同 Pro」や企業向け「Zone Labs Integrity」も発売。新宿にオフィスを構え、提携企業とともに日本への販売投資戦略を加速する方針。

 今回の日本進出についてポール・ワインスタイン事業開発および国際事業担当副社長は、「日本は世界最大級のブロードバンド市場。また、すでに日本で当社の英語版『ZoneAlarm』を使っているユーザーも数百万人はいる。今回のバージョン4.5の日本語版正式サポートを機に、1年後くらいに売り上げ全体の10−15%を日本市場でカバーしていきたい」と抱負を語った。アジアでは日本が初となるが、年内に中国版、韓国版も予定しているという。

 日本市場向けに提供するラインアップは、

  1. 無償ダウンロード提供する「日本語版ZoneAlarm」
  2. ダウンロード販売とパッケージ販売を行う個人・SOHO向け「日本語版ZoneAlarm Pro」(ともに年間ライセンス4500円、15日間試用可能)
  3. 集中管理が可能な企業向け「Zone Labs Integrity」

――の3製品。

 無償提供の「ZoneAlarm」は、

  1. VBScript添付ファイルを拡張子を変えて実行させなくする「メール保護」
  2. PCユーザーの存在を隠すステルスモード搭載の「パーソナルファイアウォール」
  3. スパイウェアやトロイの木馬のPC接続を防ぐ「アプリケーションのコントロール」

――といったベーシックなセキュリティを提供する製品。自動アップデートも可能で、認知度向上と「Pro」版への販促を担う。

 製品版の「ZoneAlarm Pro」は、「ZoneAlarm」の機能に加え、ファイアウォール機能の発信元、送信元、プロトコルなどをサポート。アプリケーションコントロールでは、「高」となるDLLやモジュールなどの改ざんチェックも可能となる。また、ログについては、同社サイトへリンクし、詳細情報を提供する。「ファイアウォールの知識がなくても利用できるようになっている」(ポール・ワインスタイン副社長)という。

 このほか、

  1. 情報漏洩を防ぐクッキーや広告のブロック、キャッシュの自動クリーニング
  2. メール保護では、VBScriptのほか、46種類の拡張子を判別。追加登録も可能
  3. メール送信時に、1回のメールの送信数制限、宛先数制限、送信アドレスチェックが可能
  4. 個人情報の非暗号化検出となる「IDロック」を搭載

――などの特徴をもつ。

 企業向け「Zone Labs Integrity」は、「Pro」の機能を提供しつつ、集中管理が可能な製品。ワインスタイン副社長は、「当社は昨年、チェックポイントのグループ企業となっており、サーバー製品については当社のほか、チェックポイントやシスコ、ノーテルネットワークスの製品とも統合が可能だ。すでに世界で1400社の導入実績をもち、拡大傾向にある」と話した。

 ウイルス対策製品との違いについては、「それらは証拠が出るまではすべて許可するが、われわれのファイアウォール製品では、安全だと認めるまでは許可しないため、より積極的な対策が可能となる。米国では近く、インスタントメッセンジャーのセキュリティやウイルス対策ベンダーと提携した統合製品も発表する」とし、ファイアウォールをベースに統合的なソリューションを日本市場にも提供していく考え。

 なお、日本市場でのセールスパートナーとして、コンシューマ向けにアークンが、エンタープライズ向けには、アダムネット、Elnisテクノロジー、フォーバル クリエーティブが契約を結んでいる。

Zone Labs社
「Zone Labsのセキュリティ製品と情報」

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