Microsoftが新たに発表したデータによると、昨年の8月以降、MSBlast(またはBlaster)ワームに感染したWindowsコンピュータは合わせて800万台にのぼっているという。この数字はこれまでに考えられていた感染数の数倍にあたる。
この最新データは、Microsoftのエンジニアが作成した、MSBlastが感染したシステムからこのワームを除去するための、オンラインツールの利用数を追跡した結果明らかになったもの。MicrosoftがCNET News.comに語ったところでは、このツールが1月にリリースされて以来、同社のWindows Updateサービスに接続した1600万台以上のシステムでMSBlastの感染が確認されたという。また同時期に、実際にUpdateに対してパッチとワクチンを求めてきたシステムの数は約800万台だった。
Microsoftでは、MSBlastに感染したコンピュータの総数を1600万前後と見ているが、800万という数字の方が影響を受けたシステムの下限値としては妥当だと考えている。これ以上の数字には、忙しいコンピュータユーザーがワームへ即座に対処しなかったり、プロセス開始後にキャンセルしたりして、あとでWindows Updateを再実行するなど、重複してカウントされたものが含まれる可能性がある。しかし、これらのシステムでウイルスの除去とパッチの適用が行われれば、再度カウントされることはない。また、Microsoftは利用の有無だけで、特にどのシステムが同ツールを利用したかは追跡していない。
Microsoftのセキュリティ対策センターでセキュリティプログラム担当マネージャーを務めるStephen Toulouseは、昨年後半の時点で「Blasterの影響が残っているとの報告が顧客から来ているのは承知していた。またISPのパートナー各社も、ネットワーク上をBlasterのトラフィックが大量に流れているのを確認している」と語っている。
実際に、このワームの被害は非常に大きく、Windowsの次期バージョン開発チームの一部が即座に開発作業を一時中止し、Windows XPのセキュリティを強化するためService Pack 2の開発にまわったほどだ。さらに、数カ月にわたって苦情を受け取り続けたMicrosoftは、Windows Updateの機能を強化し、MSBlastワームの検知と除去を行うオンラインツールをこれに追加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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