社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は10月28日、同日開催された第3回審判において、公正取引委員会(公取委)の排除措置命令には重大な誤りがあると主張した。新規参入した管理事業者の管理楽曲が放送局で繰り返し使われていたことを示す証拠を提出し、放送局がJASRAC以外の企業の管理楽曲を使っていないという認識は誤りであるとしている。
公取委はJASRACが著作権管理市場への新規参入を妨げたとして、排除措置命令を出している。その根拠の1つの例として公取委は、JASRACのライバルにあたるイーライセンスが著作権を管理していた大塚愛の「恋愛写真」などの楽曲が、FMラジオ局において2006年10月以降ほとんど使われなかったとしていた。
これに対しJASRACは、2006年10月も新規事業者の管理楽曲は繰り返し放送されていたと主張する。同協会の調査によると、例えば「恋愛写真」の場合、2006年10月中に少なくとも515回、10月から12月までの3カ月間では少なくとも729回、放送されていたという。
また、放送の傾向としては他の楽曲と特に違いがなく、新規事業者の管理する楽曲を使うことで追加の著作権使用料を負担するのを避けたいがために、放送事業者が該当する楽曲を放送しなかったという公取委の主張は間違っているとした。
なお、次回の審判は12月9日、公取委にて開かれる予定となっている。
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