放送倫理・番組向上機構(BPO)は、16歳から24歳の「デジタルネイティブ」といわれる世代を対象とした、番組視聴実態調査結果「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?〜番組視聴実態300人調査」の報告書をまとめた。テレビ視聴状況から、ワンセグの普及率、ネット動画利用率などの現状が明らかになった。
報告書によると、デジタルネイティブ世代のテレビ平均視聴時間は平日で1時間59分、休日で2時間15分。これは在宅自由時間のうちの約半分を占める時間になるとのことだ。また視聴時には、「携帯電話でメールやサイト閲覧をする」「携帯電話を特にあてもなくいじる」などの行動を取っている場合が多く、視聴率が高くてもよくみているとは限らないという結果になった。
一方、携帯電話への搭載率が高いワンセグは、半数が所有しているものの、そのほとんどが視聴しない状況とのこと。また積極的に視聴しているとしたユーザーでは、画質やバッテリの持ち具合、画面が小さいなど不満が多いことがわかった。
ネット動画に関しては、利用率は全体の約3分の1程度としており、利用サイトは「Yahoo!動画」「GyaO!」など。動画投稿サイトでは、「YouTube」が圧倒的で、続く「ニコニコ動画」引き離す結果となった。ただし利用されるサイトは集中しており、動画投稿サイト利用者の4割弱が見逃した番組を視聴するために使っているという。
今回の調査結果を踏まえ、報告書では「テレビはすでに必要不可欠なメディアではない。動画サイト高頻度利用者はテレビの視聴時間を浸蝕傾向」にあるとまとめている。
この理由として、(1)テレビ番組で若年層間で強い関心を引き、話題になるようなキラーコンテンツが出現していない、(2)ケータイ、ゲーム、DVDなど娯楽ソースが多様化した、(3)携帯電話やパソコンの利用が常態化し、動画サイトやSNSサイトの利用がテレビ視聴時間を剥奪した、(4)テレビ番組を視聴するメディアがワンセグ、パソコン、録画による視聴など多様化し、テレビモニターを通した視聴時間が減少した――などが挙げられている。
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