メディア技術センターの取り組みの中でもうひとつ、大きな比重を占めているのがデータ放送だ。2000年のBSデジタル放送開始以降、各放送事業者から大きな期待をかけられつつも、内容、各局予算規模ともに縮小傾向にある。そんな中、「デジタル放送による放送サービスの高度化の意義を高めるためには、データ放送のさらなる普及が必要」(山内氏)との観点から、様々な新サービスの開発を進めている。
現在、その代表格となっているのがNHK教育テレビ(毎週土曜日18時より放送)。地球を救うため、主人公たちが毎回失われた元素(エレメント)を取り戻していくという教育テレビらしい内容だが、番組と連動して展開されるデータ放送は視聴対象の子供たちのみならず、大人にも受け入れられているという。
エレメントハンターのデータ放送は体感型ゲームとなっており、番組上で主人公たちが元素を取り戻す場面に差し掛かると、視聴者もテレビリモコンを使って出題された化学式を埋めて元素を取り戻せる。ヒントが多めに出されるため、子供でもさほど難しくないという。集めた元素はデータ放送上に一覧表示されるほか、PCサイトやモバイルサイトで閲覧することもできる。
エレメントハンターは視聴率的にはやや苦戦している状態というが、間もなくニンテンドーDS向けのゲームも発売される予定という。データ放送との連動は現在のところないというが、「将来的には、番組とテレビゲームを連動させるような取り組みも考えたい」(メディア技術センターの山田岳史氏)と意欲を見せていた。
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