UPDATE Microsoftが米Yahooと結んだ検索分野の提携は、かねてから報じられていた何カ月にもわたる交渉の到達点ではある。しかしさまざまな意味で、これは今後も続く長い道のりの始まりでしかない。
これからの数カ月で、MicrosoftとYahooは当局に提携の許可を得るだけでなく、検索市場に対してこれまで個々に行ってきたアプローチを統合する方法を考え出す必要がある。
Microsoftはこの数年間、コア技術の洗練、垂直検索分野での向上、「Bing」という新名称によるウェブ検索サービスのブランド再生に力を入れてきた。これに対しYahooは、Yahooの技術を外部開発者に提供するツール、具体的には「Yahoo Search BOSS(Build your Own Search Service)」や「SearchMonkey」といった取り組みに力を注いできた。
米国時間7月29日に発表された提携の一環として、こうした両社の取り組みの統合は、Microsoftがその任を負うことになる。MicrosoftのシニアバイスプレジデントであるYusuf Mehdi氏はインタビューで、同社はまだ、この分野の個別のコードを精査したわけではないが、Yahooの最良のアイデアを取り入れBingに統合する用意が同社にはあると語った。
Mehdi氏は、SearchMonkeyとBOSSに言及し、「Yahooがとってきたアプローチには魅力を感じている」と話した。
統合という課題があることは、YahooのエグゼクティブバイスプレジデントであるHilary Schneider氏とMicrosoftのMehdi氏の双方が認めている。ただしSchneider氏は、誰が何に責任を持つかについては、はっきりした線引きができていると述べている。
Mehdi氏との共同インタビューで、Schneider氏は「われわれは統合を進めるのと同時に、実際には分割統治を行っていく」と述べている。「実のところ、われわれの(提携の)構築においては、双方によい結果をもたらす分野では、それぞれが新しい取り組みを行えることになっている」
この問題について両社がすでに時間をかけて考えてきたという事実は、今回の交渉が従来とは異なる性質を帯びていることを示すものだ。
2008年の交渉では、Yahooの取締役会が交渉相手で、ウォール街の注目を集めたのに対し、29日に発表された提携は、検索事業を長期的にどう構築するのかということに、はるかに強力な焦点が当てられている。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏は発表に先立ち29日に行われた電話会見で、提携条件は2ページの概要書にまとめられるようなものではなく、両社は100ページ以上の計画書を作成したと述べた。Ballmer氏はまた、今回の交渉は取締役会の関係者ではなく、経営陣によって行われたことにも言及している。
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