日本最大級のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」を立ち上げから支え、取締役最高技術責任者(CTO)を勤めてきた衛藤バタラ氏。2007年末にミクシィを退社した同氏の新会社「えとらぼ」が7月14日にウェブサイトを公開した。mixiの生みの親はこの会社でどんなサービスを展開するのだろうか。
「今までなかったサービスを作るのではなく、世の中にあるいろんなサービスの“手の届かないところ”をかいてあげるようなサービスを作りたい。それによって今の生活を少しずついいものにしたい」--衛藤氏はえとらぼのミッションについてこう語る。
2007年12月に「新たなサービスを生み出すことに挑戦したい」としてミクシィのCTOから退いた衛藤氏。海外のサービス視察やエンジニアとの交流を通じてこのようなミッションの元でサービスを提供することを決め、2008年2月に5000万円の自己資本でえとらぼを設立した。
その後、ハンドルネーム「yappo」こと大沢和宏氏や同じく「tokuhirom」こと松野徳大氏ら国内の著名エンジニアたちが同社に参加し、現在ではアルバイトやSOHOを含め8名の小規模体制で会社を動かしている。「大きなチームではなく、業界のトップたちと小さなチームでやっていきたいと考えています」(衛藤氏)
えとらぼがまず取り組んだのは、今後提供するサービスのバックグラウンドにも利用できる分散key-valueストレージシステム「kumofs」の開発だった。このkumofsでえとらぼは、2009年6月に開催されたInterop Tokyo 2009のクラウドコンピューティングコンペティションのグランプリを獲得している。「サーバ容量が足りなくなったら、サーバを追加するだけで自動的に負荷分散をしてくれる。一方でサーバが落ちた際にも自動的に認識する、運用性の高いシステム」(衛藤氏)。今後kumofsはオープンソースで公開する予定だという。
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