富士キメラ総研は7月9日、5月中旬に同社が発刊した調査報告書「2009 通信・放送サービス市場の将来展望」の概要を発表した。ネットを通じたコンテンツの市場規模が、2013年には2008年の1.5倍にあたる7502億円にまで拡大すると予測している。
この調査は、2009年3月から5月にかけて「映像」「音楽」「ゲーム」「書籍・雑誌」分野の企業や関連団体へインタビューした結果をまとめたもの。
4分野の国内市場の合計は、2013年に2008年比で9.5%減の7兆2,900億円にまで落ち込む見通し。景気後退による広告出稿需要の減少やライフスタイルの多様化による消費の分散、ノンパッケージのネット配信やレンタルサービスへの需要シフトによるコンテンツの単価下落などが主な要因だ。
特に落ち込みが激しいのが書籍・雑誌分野。活字離れによる出版不況に加え、モバイル向け電子書籍サービスを中心に市場が拡大していることもあり、2013年の市場規模は2008年比で10%以上減少し、1兆8425億円になると予測する。
一方、オンラインゲーム、ゲームソフト、アミューズメントの3つを合わせたゲームコンテンツ市場は、2013年に同0.1%増の1兆1285億円と微増する。
ネット配信は、ブロードバンドインフラの普及や配信コンテンツの充実などが要因となって、市場が拡大していくという。ただ、現状では特定ユーザー層向けや個人発信によるコンテンツが中心となっており、これが市場の拡大阻害要因になる可能性があると富士キメラ総研は分析している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス