PtoPの魔法は、KazaaやSkypeが消費者を魅惑するのに貢献し、音楽業界と通信業界を混乱させたが、ウェブ動画に同様の成功をもたらすことには失敗した。
KazaaとSkypeを創設した2人組、Niklas Zennstrom氏とJanus Friis氏が作り出した第3の主要なサービスであるJoostは米国時間6月30日、消費者向け動画サービスを打ち切り、今後は「ケーブルおよび衛星放送プロバイダ、放送局、動画アグリゲーター」向けに、「ホワイトレーベル」の動画プラットフォームを構築することに注力すると発表した。
この動きは、YouTubeやHuluの競合サービスとしてのJoostに終止符を打つとともに、Cisco Systemsの元幹部であるMike Volpi氏の指揮によりJoostを復活させる試みを終わらせるものだ。Joostの発表によれば、Volpi氏は最高経営責任者(CEO)の座を退くが、会長職にとどまるという。
Joostはすでに、撤退の準備を整えている可能性があることを示唆していた。2009年4月には、Sony Picturesが同社のコンテンツをJoostから引き上げることを決定した。CNET Newsはその直後、JoostがTime Warner Cableを含む複数のケーブルプロバイダに対し自社を売り込んでいたことを報じた。
2009年6月第4週には、Volpi氏が英国の公共テレビ放送局のCEO候補になっていると同国で報じられた。
実のところ、JoostはYouTubeやHuluに挑むほどの勢力を得ることは決してなかった。Joostは立ち上げ当初からいくつかの失敗を犯した。具体的には、ユーザーにソフトウェアクライアントをダウンロードするよう求めたことや、Viacomを後援企業の1社に据えながら、Huluが力の源泉としたプレミアムコンテンツの契約に失敗したことなどだ。
鳴り物入りで登場し、創設者らの評判に大きく依存していたJoostは、最後にはブラウザベースの動画サービスを立ち上げた。だが、その時までに、Huluが数多くの人気テレビ番組や映画を高画質の動画で提供していた。
Joostの商機はすでに過ぎ去っていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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