ミクシィは4月23日、イベント「mixiアプリ カンファレンス 2009」を開催し、アプリケーションプラットフォーム「mixiアプリ」の詳細を説明した。
mixiアプリは、外部の開発者がソーシャルネットワーキングサービス「mixi」内で独自のアプリケーションを提供するための仕組み。4月8日よりベータ版として開発者向けに公開され、8月に一般ユーザーに対して正式版が提供される予定だ。
ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は、「mixiアプリの開放はmixi始まって以来、過去最大の変革になると思います。本当に我々としても期待していますし、ユーザーの方にも期待してほしいですし、企業の方にもチャンスが広がるという意味で期待してもらっていいと思います」と自信を見せる。
同社がアプリケーションプラットフォームを開放する一番の目的は、日記に代わる、新たなコミュニケーション手段をmixiユーザーに提供するためだ。「日記が本当に万人にとって一番使いやすいコミュニケーション手段なのかというと、そうではないはず。いろいろなユーザー属性において適切なコミュニケーション手段があってしかるべきではと思っています」(笠原氏)
そうしたアプリケーションをミクシィ内でひとつひとつ開発するのは現実的ではないことに加え、1つの会社では企画されるアプリケーションの幅にも限界があるとの考えから、誰でもアプリケーションを提供できる仕組みを開放することとした。
アプリケーションをmixiに提供することで、外部のパートナー企業や開発者にも新たなチャンスが生まれるという。「アプリケーションから発生する収益は極力還元したい」と笠原氏は話す。利益還元の方法は、広告、課金、ファンドの3種類が用意されている。
広告は、アプリケーションで発生するページビューあたり0.01円から収益が還元される。アプリケーションの集客規模によって段階を設け、還元率を変動させる仕組みだという。またはミクシィの広告プログラムに参加せずに、アプリケーションページに独自の広告を掲載することも可能だ。
ミクシィが提供する課金システムを利用し、mixi上でユーザー課金をすることもできる。決済手数料を除いた金額の8割がアプリ開発者に分配される。mixiから外部サイトにリンクし、独自の課金システムを利用することも認められている。
さらに「mixi ファンド」というファンドによるビジネス支援も計画している。アプリケーション開発者のニーズによって、融資、出資、買取という方法で資金援助していく。
米国ではソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」向けのアプリケーションだけで生計を立てる企業がある。こうした企業がmixiアプリにおいても現れるように、「とくに2009年は先行投資のフェーズとする。極力盛り上げることに徹していきたいと思っている」(笠原氏)という。
mixiアプリはPC版が8月に、モバイルが9月に正式公開される。「PCとモバイルの両方でアプリケーションプラットフォームを展開する例というのは、世界的にみてもおそらく初めて」と笠原氏は語る。広告収益を還元する仕組みはPC、モバイルそれぞれの開始時点から利用できる。課金の仕組みは10月から利用できるようになる予定だ。
モバイル向けアプリケーションの技術仕様は4月24日に公開される。利用できるAPIの種類も増やしていくという。
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