大きく宣伝されることはなかったものの、米Yahooの写真共有サイト「Flickr」に、顔認識機能が追加された。
この新機能は、スウェーデンの新興企業であるPolar Roseによって先ごろローンチされた。同機能により、ユーザーはFlickrのアカウントから、Polar Rose上のアカウントへと、すべての写真をインポートし、その後、自動的に写真が各個人のグループ別に整理される。
Googleの「Picasa Web Albums」や、Appleの「iPhoto」の同様の機能のように、ユーザーが顔認識を終えると、最終的に写真の横に名前が表示される仕組みになっている。(写真に付された)ラベルは、後ほどFlickrのアカウントへ送り返される。2004年にスウェーデン生まれの数学者であるJan Erik Solem氏によって設立されたPolar Roseは、他の多くのウェブサイトに向けても、同技術のライセンス提供を行う予定である。
現在はPolar Roseの最高技術責任者(CTO)を務めるSolem氏は、「他のいかなる企業も、あらゆる異なるサイト向けに、自社の顔認識技術の提供を望んだりはしていない」と語った。
Polar Roseは、Facebookのアカウントからも写真をインポート可能な状況ではあるものの、それには問題点がある。
Solem氏は「Facebookには、ダウンロードされたデータを24時間以上は保存できないとの規約が定められている」と述べた。
サムネイル写真が、ユーザーのPolar Roseのアカウントに保存されるため、同社は、Facebookの写真への速やかな対応を、現時点では検討していない。
とはいえ、すでに「Facebook Connect」の認証機能により、ユーザーは、Facebookから認証された状態でログインできるようにもなっている。Facebookからは、友だちリストのインポートも可能であり、Flickrの写真で顔認識を行って、活用することができる。
Solem氏は、Flickrと、何らかの正式な事業提携がなされているのかに関しては、情報を明らかにしようとしなかった。Solem氏は「当然ながら、われわれはFlickrと交渉を行ってはいる」と語っている。
一方、Flickrは、この件に関しては、それほど多くの情報を提供してこなかった。
Flickrを傘下に収めるYahooの一関係者は、「Flickrは、ウェブ上で2番目に人気のあるAPIを提供している。Polar Roseは、新たな独特の手法で、Flickrのデータの革新を進めて公開が可能なFlickrのAPIを使用している、多くのサードパーティーの開発者の一員である」とコメントした。
Solem氏は、Googleが2008年9月に、Picasaへ顔認識機能を追加し、2009年1月には、AppleがiPhotoで顔認識機能の提供を開始した頃に、自社の技術でも、同機能の提供を進めたいとの考えを強めるに至ったと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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