米国でネット中立性の議論が再燃--ブロードバンド助成金をめぐり

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2009年03月24日 18時10分

 政府がブロードバンドを奨励する目的で支給する72億ドルの助成金により、ネット中立性に関する議論が再燃している。消費者団体が、この助成金を受け取る事業者に対し、インターネットの中立性を維持する条件を設けるよう政府に対し主張しているためだ。

 米国時間3月23日にワシントンD.C.で開かれた公聴会では、Obama大統領が明らかにしている経済刺激策としての助成金をどのように配分するのかを巡って、消費者団体とインターネットサービスプロバイダー(ISP)が正面から対立した。公益団体は、政府へ対し、この助成金を受け取る事業者にネット中立性の規制を守るよう要求すべきと主張している。このような規制があれば、事業者は自分たちのネットワークを行き来するトラフィックに優先順位を付けることができなくなる。対するISP側は、イノベーションを阻害したり自社ネットワークを管理できなくなるような条件は強制されるべきではない、と主張している。

 このブロードバンド助成金は、まだ高速インターネットサービスが十分に提供されていない地区へこのようなサービスをもたらすことを目的としたもので、米商務省および農務省がこの助成金を割り当てるよう指示されている。

 Free Pressのポリシーディレクターを務めるBen Scott氏は3月23日の公聴会で、政府のプログラムはブロードバンドプロバイダー向けの「慈善事業」ではなく、納税者は当然のことながら、ISPが助成金を利用してある種のトラフィックを遮断したり、新しい競合サービスを妨げたりしないようにする公平な条件を期待していると主張した。

 しかし、ブロードバンドサービスを提供する電話会社やケーブル事業者は、以前から、ネット中立性を強制する規制は基本的に自分たちを拘束すると主張してきた。この理由として、イノベーションを阻害し、自分たちのネットワークを適切に管理できなくするためと説明している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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