米司法省は1998年以来、性的に露骨な内容を持つウェブサイトを対象としポルノを規制する連邦法について、これを合憲と認めるよう裁判所に働きかけてきた。
だが、もうそれも終わりだ。米連邦最高裁判所は米国時間1月21日、児童オンライン保護法(Child Online Protection Act:COPA)を擁護する司法省の最後の訴えを退けた。つまり、同法は施行されないということだ。
COPAは、オンラインポルノへの不安が高まった1990年代後半、裁判所に骨抜きにされた以前のネット検閲法に取って代わるものとして、より対象を狭めたかたちで制定された。COPAでは、「未成年者に有害なコンテンツ」を掲載する商用ウェブサイトの運営者は最長6カ月の懲役ないし最高5万ドルの罰金、あるいはその両方に科されると定めている。
アメリカ自由人権協会(ACLU)は、COPAは対象範囲が広くあいまいで、既存のパブリッシャーも罰金刑や懲役刑に科される恐れがあるとして、これに反対する訴訟をフィラデルフィアで起こした。原告には、際どい内容を含む記事を時折掲載しているSalon.com、カリフォルニア州に拠点を置く同性愛者向けサイトのA Different Light BookstoreやPlanetOutのほか、現在は解散しているが、(CNET Newsを運営する)CNET Networks、New York Times、Reutersなどが加盟していた連合が名を連ねた(CNETの幹部も1999年1月にCOPAに反対する証言を行った)。
ACLUの弁護士であるChris Hansen氏は21日に発表した声明の中で「人々がネット上で閲覧するものや行うことの可否を判断するのは政府の役割ではない。そうした判断は、個人やその家族にゆだねられるべきだ」と述べている。
ちなみに、司法省は2006年に、広く使われているGoogleの検索エンジンでアクセス可能なインターネットアドレスの「無作為なサンプル」100万件と、1週間にGoogleに入力された検索キーワードの無作為なサンプル100万件の提出を求めてGoogleを召喚しているが、この背景にもCOPAの擁護を続ける司法省の姿勢があった。
最初の法的手続き以来、ACLUの訴訟は判決に至ることなく、下級裁判所と最高裁判所の間を行ったり来たりしてきた。その間、最高裁は2002年と2004年の2度、予備判決を下している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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