Appleは、米国時間1月6日に開催されたMacworldの基調講演において、少数ながら既存のソフトウェアのアップグレードを発表した。いくつかの変更点の中でも、最も大きなものとしては、ソフトウェアスイートの「iLife」および「iWork」中の、まだ発展途上ではあるもののオンライン統合機能が目立っている。「2009年」バージョンのiLifeとiWorkは、サードパーティー製のサービスを統合しつつ、独自のオンライン戦略へとユーザーを誘導する、よりバランスの取れたアプローチを見せている。
iWorkの場合、新たな「iWork.com」という名称のオンラインコンポーネントとの、緊密な統合が図られている。iWorkのリリースと合わせて、1月末に立ち上げられるiWork.comのサイト上では、ユーザーが、最高1Gバイトのファイルをアップロードして、他のユーザーと共有可能となる。iWorkのソフトウェアスイートに含まれる、どの3つのアプリケーションを利用中でも、ユーザーは、スクリーン上部に表示されるリンクから、何でも作成中のものをエクスポートできる。一度アイテムのアップロードが完了すれば、他のユーザーとの共有が行われ、何であれ指定した特定のファイル形式でダウンロードしたり、ちょっとしたコメントを付加したりできるようになっている。
iWork.comは、Google、Zoho、Thinkfreeや、他の企業が提供しているような、オンラインのワープロソリューションからは、まだ程遠いものの、Appleが2007年に発表した「.Mac」でのフォトギャラリーや、「MobileMe」サービスの一環で提供されているウェブメールアプリケーションの方向性の延長線上にあると考えられる。ただ、新たなiWork.comのオンラインサービスでは、特にブラウザ上でダイレクトにドキュメントを編集する機能が欠落しており、ローカルに(ドキュメントの)コピーをダウンロードして編集し、再アップロードする作業が求められている。
別の変更点としては、iLifeの「iWeb」アプリケーションで、FacebookやFTPとの統合というアップデートがなされている。自分のホームページに変更を加えたならば、いつでもFacebookのニュースフィードに通知を出して、変更を知らせ、友人にアップデートを見てもらえるようになった。また、FTPとの統合により、iWebで作成したページのアップデートを、いちいちサードパーティー製のFTPアプリケーションで更新する必要がなくなった。ただ自分のサーバ情報を入力するだけで、同期が行われるようになっている。
これにより、Appleにホスト料金を支払うことなく、WYSIWYG(What You See Is What You Get)を実現するソフトウェアを使いたいと望む人々にとっても、多くの悩みの種が解決されることになりそうだ。
もう1つの大きな変更点としては、FacebookおよびFlickrという、非常に人気があるウェブ上の写真共有サイトへのエクスポートサポートが標準で追加された「iPhoto」が挙げられる。FacebookとFlickrへのエクスポートは、これまでもサードパーティー製のプラグインを利用して行えたものの、Appleの新たなソリューションは、購入後すぐに使えるものとなっている。ソフトウェア上で、アップロードされた写真に変更を加えると、どんな変更点でも、FacebookやFlickr上で自動的に更新が反映される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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