プライバシーの問題に取り組む団体である電子フロンティア財団(EFF)は、Googleの新ブラウザ「Google Chrome」の「Omnibox」における、入力されたデータを同社に送信するという機能に関して懸念を表明している。
Gooleが米国時間9月3日にCNET Newsに対して語ったところによると、同社はOmniboxに入力されたデータの約2%を、そのデータが入力されたコンピュータのIPアドレスとともに保存する予定だという。Googleは、ユーザーがオートサジェスト機能を無効にするか、デフォルトの検索サービスにGoogle以外のサービスを指定するか、Chromeの「Incognito」モードを使用している場合、そういった情報の受信や保存を行わないと述べている。
とは言うものの、EFFのテクノロジストであるPeter Eckersley氏はインタビューで、世界中の人々が閲覧しているものを覗き見るための窓をまた1つGoogleが設けたことについて懸念していると述べている。
Eckersley氏は「われわれは、Chromeがユーザーのウェブ利用に関する個人情報をGoogleのデータベースへと運ぶ、巨大なもう1つのベルトコンベヤになるのではないかと危惧している」と述べるとともに、「Googleはすでに、みんなが何を考えているのかについての膨大な情報を、いつ何時でも知ることができる状態にあるのだ」とも述べている。
Eckersley氏は、Googleに情報が送信されないようにする方法が複数あると指摘したものの、それでもGoogleに多くの情報が送信されることになると述べている。
Eckersley氏は1つの方法として、Chromeはオープンソースであるため、プライバシー意識の高い第三者が独自のサジェスチョンエンジンを開発し、ウェブ閲覧者がそのエンジンを自身のPC上で実行することで、情報をサーバに送信することなく、Googleが提供している機能を実現することを提案している。同氏は、Chrome自体でも、「Incognito」という匿名性を重視したモードで同様のことがすでに実現されているとも述べている。この場合、すべてのサジェスチョンは、ウェブ閲覧者のローカルPCに保存されている履歴情報を基にして行われる。
「Incognitoの追加はすばらしい」と述べるEckersley氏は、さまざまなところに足跡を残すことなくウェブ閲覧を行いたいというユーザーの希望をGoogleが認識し、Chromeでその実現に向けて歩み始めたと付け加えている。
Eckersley氏は「Googleは、その方向に向けて歩き始めたことになる」と述べつつも、Omniboxの動作について再度懸念を表明した。
Eckersley氏は「われわれは、Omniboxの動作について本当に危惧している」と述べるとともに、「これは、みんなの行っていることすべてを見通すために、Googleが必要としているさらなる手段の1つである」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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