2008年5月に入って「Windows Vista」ユーザーがNBC Universalの2番組を録画できなかった問題についてMicrosoftは、「Windows Vista Media Center」には録画を制限するような設定はされていないと述べている。
米国時間5月12日、Windows Vista Media Centerを用いてNBC Universalの番組「American Gladiators」と「Medium」をデジタル録画しようとしたユーザーに対し、著作権所有者の要請により番組の録画が禁止されているというメッセージが表示された。後にNBC Universalは、録画を禁止するフラグを誤って送信したことを認めた。多くのVistaユーザーが不満を抱いたのは、Windowsがそのフラグに従わない限り録画が禁止されることはなかったという点である。
Microsoftは28日にCNET News.comへの電子メールで、同社はペイパービュー(pay per view)チャネルやビデオオンデマンド(VOD)などの「プレミアムコンテンツ」の録画を防止するために送られるフラグを支持していると述べた。同社は、通常のデジタル放送やQAMデジタル放送の録画を制限するようなことはしていないと述べた。Microsoftは、Windows Mediaがアナログ放送向けのフラグのみに従っているとすれば、なぜユーザーはデジタル放送を録画することができなかったのかについては明らかにしなかった。
Microsoftの広報担当者は電子メールで、「Windows Media Centerは現在、CGMS-Aをサポートし、これに従っている」と述べた。「コンテンツ配信者は、(ビデオオンデマンド向けの番組を保護する場合などごく限られた状況において)CGMS-Aを使用する。Windows Media Centerは、ATSCやクリアQAMにおけるDigital Broadcast Television Redistribution Controlとも呼ばれる放送フラグはサポートしていない」(Microsoft広報担当者)
NBC UniversalもNews.comに対し28日、さらなる調査から、送信されたフラグがCGMS-Aであったことが判明したと通知した。
NBCの広報担当者は、「これらの番組に誤って設定されたのは放送フラグではなくCGMSAフラグだった」と記している。「その後ほかに問題は確認されていない。フラグは単純なミスであり、ポリシーの変更があったわけではない」(NBC広報担当者)
ではこの問題はどこに帰着するのだろうか? 大手メディア会社と世界最大規模のソフトウェア企業が問題の責任が自社にはないと主張したため、問題発生当時の状態に戻ることになる。今回の事件における良い点は、米国がアナログからデジタル放送へと移行する中で、個人の録画行為に対し放送局がどれだけ制限することができるかが浮き彫りになった点である。
両企業と今後も取引を継続するために匿名を希望した今回の事件に詳しいある人物は、「今回の事件は、このような技術が知らぬ間に機器に搭載されているという危険性を示している」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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