ロサンゼルス発--全米レコード協会(RIAA)の幹部によると、デジタル著作権管理(DRM)が終わるというニュースは、かなり誇張されているという。
主要レコード会社がDRMを段階的に廃止しているように見えるなか、RIAAは、論議の多いこの技術が勢いを取り戻すと予測している。
RIAAのテクノロジ部門を率いるDavid Hughes氏は、Digital Hollywoodカンファレンスのパネルディスカッションで、「(最近)音楽の販売方法を22通り書き出してみたが、そのうち20通りはまだDRMを必要としている」と語った。「登録会員向けサービスも制限付きのプレイパービューも広告による提供も、いずれもまだDRMを必要としている。だからDRMは終わっていない」
Hughes氏はわかりきったことを述べただけだ。DRMはまだ存在している。例を挙げれば、「iTunes Store」にも、RealNetworksの「Rhapsody」にも、無料音楽配信サービスの「SpiralFrog」にもDRMは見つかる。しかし、音楽の4大レーベルが保護されていない音楽ファイルを容認する姿勢を見せているだけに、Hughes氏の主張は驚きだ。
2008年1月、4大レーベルとしては最後にSony BMGが、AmazonのサイトでDRMフリーの楽曲販売に乗り出したことで、DRMは葬られると多くの人が考えた。それ以来、オンラインストアは次々と、少なくとも一部の楽曲についてはDRMのない音楽ファイルの販売を開始している。例えばWal-Martのオンラインストア、Zune Marketplace、iTunes Storeなどだ。
DRMは終わりと考えるのはまだ早い、とHughes氏は言い、DRMが大々的に再浮上するとの見通しを語った。「風向きの変化があると思う。登録会員向けサービスへの動きが起こり、最終的にDRMが盛り返すことになる」
またHughes氏は、一般の人々から音楽に鍵をかける監視人のようなものと見なされにくくなるよう、DRMは変わらなければならないと述べた。できれば、消費者がDRMにまったく気づかない方式がよいという。「人は必要なときに音楽が欲しいだけだ。問題は利用する権利だ。それが可能ならDRMは気にならない」
パネリストの全員が同意したわけではない。電子透かし技術を提供するDigimarcで営業開発部門を率いるRajan Samtani氏は、煩わしさの少ないDRMの実装方法に取り組むContentGuardで働いた経験を話した。
「もう降参する時期だと思う。若者はDRMを回避する方法をあまりにも多く手にしている」と、Samtani氏は述べた。
全米映画協会(MPAA)のエグゼクティブ・バイスプレジデントであるFritz Attaway氏は、「消費者に対し、契約したライセンスの範囲を示すのにDRMが必要だ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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