Amazon Web Servicesは米国時間3月27日、ホステッドコンピューティングサービスにより優れた安全ネットを実現する機能を導入した。
今後はAmazonの「Elastic Compute Cloud(EC2)」サービスに、開発者がアプリケーションを物理的に実行する場所を選択できるAPIが搭載されるようになる。
この「Availability Zones」機能が重要である理由は、開発者がアプリケーションに冗長性を追加できるようになることにある。複数のゾーンを選択することによって、開発者は別個の電源、冷却装置、ネットワークアクセス、物理サーバを備えた複数のサーバインスタンスを使用できるようになる。
「これまでは、2つ以上のEC2インスタンスを起動すると、それが置かれる場所を制御することができなかった。場所や近接性という概念がないため理論上は同じマシンの上に置くこともできた」とAmazon Web Servicesの製品管理/開発者向け広報担当バイスプレジデントであるAdam Selipsky氏は述べる。
「これからはそれを1つの機能として公開し、開発者は『n番目』のサーバを異なるAvailability Zoneにインスタンス化できるようになる」(Selipsky氏)
Amazon Web Servicesでは2月に「Simple Storage Service(S3)」の数時間にわたるサービス障害のために複数のWeb 2.0サイトが影響を受けた。
Selipsky氏はこの新しい機能によって開発者は「大多数」のケースで冗長性を追加できるようになると述べている。
Amazonは現在、開発者に対してS3のデータをヨーロッパまたは米国に配置するオプションを提供している。
Selipsky氏は、Amazonでは今後、データの配置場所についてより「きめ細かい」オプションを追加していくと述べている。
またAmazon Web Servicesは27日、「Elastic IP」という名称のIPサービスも導入した。これは、開発者が物理マシンではなくてアカウントに関連づけられたIPアドレスを持てるようにするものである。
この変更によってEC2はウェブアプリケーションのホスティングにさらに適したものになるとSelipsky氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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