UPDATE ミクシィは3月3日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」の利用規約を改定することをmixi(アクセスにはmixiへのログインが必要)上で発表した。
mixi利用規約については全面改定を行うほか、mixi動画利用規約が一部改定、有料サービスの利用規約も新設する予定だ。改定後の規約は4月1日より実施される予定。
改定後の規約ではmixi上で書いた日記などの情報について、「日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします」といった内容が含まれているほか、「ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします」といった内容も含まれている。
また、有料サービスの利用規約では商品の販売にも触れられており、mixi上でのECサービスの展開も予測されるものとなっている。
mixi動画利用規約については、すでにミクシィによる無償勝非独占的なコンテンツの使用権利や著作者人格権行使の禁止などをうたっており、日記などについても同規約にあわせたという内容になる。
ミクシィでは、今回の利用規約改定について、「あくまで著作権については従来どおりユーザー自身が有することに変わりない」とした上で、(1)投稿された日記などの情報を同社サーバに格納する際、データ形式や容量を改変すること(2)アクセス数が多い日記などについて、キャッシュを生成してサーバに格納すること(3)日記の情報が閲覧される場合、自社のサーバから国内外に存在するmixiユーザーに向けて送信されること--といったケースを想定したものだとしている。これはアクセス対策やAPIを利用しての情報発信といった用途を想定しているとも考えられる。また、公開範囲を「友人までに公開」している日記などは今までどおり外部に公開されることはないとした。
さらに、ユーザーが投稿した日記などの情報は同社が無断で使用することはなく、コンテンツの書籍化についても、従来どおりユーザーの事前了承なしに進めることはないとしたほか、利用規約自体も、今後もユーザー理解しやすい内容となるよう引き続き検討するとしている。
なお、SNS「GREE」を運営するグリーでは、利用規約にて「ユーザーが本サービスを利用して投稿・編集した文章、画像、映像(動画)等の著作権については、当該ユーザーその他既存の権利者に留保されるもの」とした上で、「本サービスを利用して投稿・編集された文章、画像、映像(動画)等については、グリーおよびグリーと提携するサイトまたはその他の媒体・サービスにおいて、グリーが必要と判断する処置を行った上で、グリーが利用できるものとする」としている。また、前述の条件でグリーが使用したユーザーのコンテンツについては著作者人格権の行使を禁じている。
このようなCGMサービスのコンテンツの利用規約の改定でユーザー内に波紋が広がった以前にもあった。2004年11月にライブドアのブログサービス「livedoor blog」が利用規約を改定し、著作者人格権の行使を禁止する旨を発表した際も、ユーザーからの反対の声が多く上がった。著作権関連の変更点は以下のとおり。
(変更前) 本サービスにて作成されている全てのウェブログについて、当サイトの宣伝を目的として利用者への通知なしに自由に利用することができるものとします。
(変更後) 本サービスにて作成されている全てのコメントおよびトラックバックを含むウェブログについて、弊社は、利用者への通知なしに無償で利用することができるものとし、利用者は、弊社及び弊社の指定する者に対し、著作権等(著作者人格権の行使も含む)を行使しないものとします。
これについてlivedoorでは、「この条文はライブドアに著作権が帰属する意味ではなく、あくまでも著作権はそのブログの作者に帰属するもの。主に当サイトの宣伝を目的に利用する場合を想定して、当事者へ無償で利用することをこの規約で確認しているが、宣伝かどうかの定義をすることが困難な場合も考えられる為このような定義とした」というコメントを発表している。その発表にあわせるように各ブログサービスでも、コンテンツの著作権に関するアナウンスや規約改定が相次いだ。
ここで、おもなSNSやブログの利用規約上での、著作者人格権やユーザーコンテンツの扱いに関する記述を抜粋した。著作者人格権について明言をしていないサービスもあるが、基本的にほとんどのサービスにおいて、自社サービス上でユーザーのコンテンツを自由に利用できる旨をうたっている。詳細は以下のとおり。
モバゲータウン第5条 モバゲータウン会員記述情報についてアメーバブログ
3.当社は、当社の運営するサイト内にモバゲータウン会員記述情報を無償で複製その他あらゆる方法により利用し、また、第三者に利用させることができるものとします。
第11条(知的財産権等)はてなダイアリー
本サービスを構成する文章、画像、プログラムその他のデータ等についての一切の権利(所有権、知的財産権、肖像権、パブリシティー権等)は、会員自身が作成したものを除き、弊社又は当該権利を有する第三者に帰属しています。
会員は、会員自身が作成した著作物を本サービスを通じて掲載した場合、弊社が宣伝告知等に利用することを許諾するものとします。また、かかる使用に際して、当該会員は著作者人格権を行使しないものとします。
会員は、自己の著作物に関して、第三者の権利侵害等の問題が発生した場合、自己の費用と責任に於いてかかる問題を解決すると共に、弊社に何等の迷惑又は損害を与えないものとします。
第8条(当社の財産権)ココログ
3.ユーザーは、はてなダイアリーおよびはてなグループにおいて自己が作成した日記の内容と、有料オプションを利用しているはてなグループのキーワードの内容、および、はてなフォトライフにおいて自己が送信した画像について、著作権を有するものとします。
4. 本サービスの提供、利用促進及び本サービスの広告・宣伝の目的のために、当社はユーザーが著作権を保有する本サービスへ送信された情報を、無償かつ非独占的に本サイトおよびインターネットを用いたクライアントソフトに掲載することができるものとし、ユーザーはこれを許諾するものとします。
5.ユーザーが自己の保有する、本サービスへ送信された情報に関する著作権を第三者に譲渡する場合、第三者に本条の内容につき承諾させるものとし、第三者が承諾しない場合には、同著作権を譲渡できないものとします。
ココログ利用規約
7.ユーザーが作成したココログの記事等に係わる著作権は、原則としてユーザーに帰属します。ただし、ユーザーは、ニフティが、以下の範囲内で、ユーザーが作成したココログの記事等の利用を行うことを無償で許諾します。
(1)ココログの広告・宣伝、利用促進の目的の範囲内で、ココログ上のテキスト、画像等の情報(メタデータ(RDF Site Summary形式等)で配信された情報を含み、以下「情報」といいます。)を、ニフティが管理・運営するWebサイトに掲載すること。
(2)他のユーザーが希望した場合、当該他のユーザーが管理・運営するココログ上に情報を掲載できるようにするための機能を提供すること。
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