ニワンゴが運営する動画コミュニケーションサイト「ニコニコ動画」内において開催されているイベント「第3回国際ニコニコ映画祭」の大賞が2月25日、発表された。大賞は新しい眼鏡の外し方を提案した「カッコイイ、眼鏡の外し方。」が選ばれた。また、CNET Japanからは、3D映像作品の「襲来!!恐怖の殺人餃子!【美味】」にCNET賞が贈られた。
国際ニコニコ映画祭は、ニコニコ動画において面白い作品を審査員が選んで表彰するというもの。第3回となる今回は、映像作家の手塚眞氏、お笑いダンサーのスメリー氏、タレントの松嶋初音氏、ニワンゴ取締役管理人の西村博之氏のほか、ミュージシャンのサンプラザ中野くん氏(2008年1月より、芸名をサンプラザ中野から改称)、浜松医科大学教授の木村通男氏、ニコニコ動画で多くの作品を投稿しているニート鈴木氏の7名が審査員として参加した。
作品の投稿数は184作品と、第1回の204作品よりはやや少ないものの、第2回の174作品より増えた。この中から17作品が最終審査に残り、7名の審査員の得点と推薦により、受賞作品が決まった。
大賞に選ばれた「カッコイイ、眼鏡の外し方。」はわずか26秒の短い作品ながら、インパクトの大きさが審査員の心をつかんだ。サンプラザ中野くん氏は「期待通りで、かつ期待以上」と絶賛。17作品中トップとなる62.5点を獲得し、満場一致で大賞に選ばれた。また、賞金として10万625円が贈呈される。
「カッコイイ、眼鏡の外し方。」と並んで審査員からの評価が高かったのが、「ショートムービー 恋人」。こちらは6分35秒と長めの作品ながら、意外性のある物語の展開で審査員を一気に引き込んだ。ショートムービー賞を受賞し、「次の作品をぜひ作って欲しい」という審査員の意向により、次回の映画祭にも新作を投稿することを条件に10万円の賞金が授与されることになった。
第3回から設置された、クリプトン・フューチャー・メディアの音声合成ソフト「初音ミク」を使った作品に贈られる「初音ミク賞」には、「【初音ミク】時報」が選ばれた。ニコニコ動画で1日3回流れる時報を初音ミクが歌っているという作品で、「初音ミクを使った作品は映像がないことが多く、きちんと映像としてかわいくできているのが新鮮だった」(西村博之氏)などとの講評が寄せられた。賞金として3939円(ミク=39にちなむ)が贈られる。
CNET賞に選ばれた「襲来!!恐怖の殺人餃子!【美味】」は、時事ネタを扱った作品。構想半日、制作期間4日という短さながら、質の高い3D作品に仕上がっている点が評価された。
ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏の友人という縁で参加したという木村通男氏は、「小林氏からは『すべての作品に1つずつ病名をつけろ』と言われて参加した。しかし、病名がつくほど病んだ作品はない」と評価した上で、「何回見ても面白いと思えるような、光るものが欲しい。アイデアの思いつきだけでは物足りない」とさらなる作品の質の向上を希望していた。また、サンプラザ中野くん氏は「ストーリーがしっかりしているものがいい。そこに人は感動するのではないか。あと、必ず笑いを追求して欲しい」とコメント。ニート鈴木氏は「全体的に作品のレベルが高くて驚いた。他人の作品を見ることで、声が聞こえにくいものや登場人物が誰だか分からないものはダメだと学んだ」と、他人の作品から学ぶことの重要性を語っていた。
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