UPDATE Amazonは米国時間1月10日、同社「Amazon MP3」でSony BMG Music Entertainmentの楽曲を販売することを発表した。デジタル著作権管理(DRM)保護を受けない楽曲を専門に販売するAmazon MP3は、これで4大音楽レーベルすべてと提携したことになる。Amazon MP3で販売される楽曲はコピー保護フリーなため、PC、音楽プレーヤー、携帯電話、PDAなど事実上ほとんどのメディアプレーヤーで再生が可能となっている。
DRMフリーのSony BMGの楽曲は、1月中にAmazon MP3で入手可能となる予定。
Sony BMGは今週に入り、同社楽曲にDRMを採用しない意向であることを発表していた。同社の対応は大手音楽レーベルとしては最も遅く、2007年秋にサービスを開始したAmazon MP3は、EMI、Vivendi傘下のUniversal Music Group、Warner Music Groupの3大レーベルの楽曲を既に販売している。また、同サービスは、3万3000以上のインディーレーベルの楽曲も取り扱っている。現在、購入が可能な楽曲の数は310万となっている。
DRMフリーの音楽ファイルを大量に取り揃えることで、Amazonはデジタル音楽業界の売り上げで圧倒的なシェアを持つAppleの「iTunes Store」を本格的に追撃する態勢を整えたことになる。Amazonが提供する楽曲の多くは88〜99セントで販売され、Appleの標準価格99セントを下回る。Appleとの協議が不調に終わったことから、Universal Music Groupは同社の所有するDRMフリーの楽曲をiTunes Storeにライセンス供与していない。
Appleは一方で、DRMフリーの楽曲の価格を割増の1.29ドルから標準的な価格である99セントに値下げしたが、このことは同社がAmazonを脅威と受け止め始めた表れと言える。
Amazonの市場シェアはまだ小さなものだが、デジタル著作権管理に対する風当たりを強める文化においては最終的に有利な立場に立つ。Amazon MP3を利用したユーザーからの反応はさまざまだが、同サービスがiTunes Storeの独占に対する手ごわい脅威となることだけは間違いないだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス