「Yahoo! Pipes」やMicrosoftの「Popfly」など、米国大手がひしめくマッシュアップツールの分野に、日本発のサービスが登場した。ネットエイジ・ラボとアスピレーションが11月27日にベータ公開した「MyRemix」は、上記サービスと同様にグラフィカルなインターフェースで様々なWeb サービスやRSSフィードをマッシュアップすることができる。もちろん日本産サービスのモジュールを細かく揃えている。
MyRemixの操作画面はYahoo! Pipesに似ており、公開されているAPIやRSSフィードのモジュールを視覚的につなぎ合わせることでマッシュアップを行える。コーディングを必要とせず、誰でも利用できる手軽さもそのままだ。出力にも工夫しており、RSSフィードだけでなく、メールで受け取ったり、Adobe AIRに対応したデスクトップアプリケーションとして配布することもできる。
また、PopflyのようにあらかじめいくつかのAPIが用意されている。その中には「はてな」や「mixi」、「楽天」など、日本で多くのユーザーを抱えるサービスに細かく対応している。例えば、mixiならば、「マイミクシィ最新日記」「足あと」「日記コメント記入履歴」などがあり、はてなでは、「タイプ別人力検索」や「はてブ注目エントリ」はもちろん、「Foto 焦点距離」といったものまで揃う。
基本的な使い方は、Web サービス一覧から気に入ったものをいくつかフィールドにドラッグし、それらをつなぎ合わせて、最後にRSS出力かメール出力かを選ぶだけだ。
例えばYahoo! 検索とLive Searchの検索結果を一つのRSSで受け取りたいなら、まず両サービスをドラッグし、その下に「マージ」という結合パーツを置く。そしてYahoo! 検索とLive Searchのモジュールと“ひも”でつなぎ、さらにマージから「出力」パーツへとひもを伸ばす。これでマッシュアップは完成だ。
保存して出力されたRSSを自分で利用しているリーダーに登録すれば、2つの検索結果の新着が一度に届くようになる。
他にも楽天とAmazonの商品検索の結果を一度に取得したいときなどに便利だ。普段、RSSリーダーを利用していなければメールで受け取ることもできる。
シンプルにRSSフィードのカスタマイズツールとしても利用可能だ。例えば、「フィード読み込み」というモジュールに、ニュースサイトのRSSフィードをいくつも追加し、さらに「フィルタ」モジュールをつなげて好みのキーワードを入れると、キーワードに合致したニュースのみが集まる。この読み込みはRSSフィードの代わりにメールアドレスを入力することができるため、そこにフィルタをかませればメールフィルタが作成できる。
作成したアプリケーションは「マイリスト」に保存される。公開オプションを選ぶと、他のユーザーがコピーして自分で使ったり、それをさらにカスタマイズしたりできるようになる。
MyRemixは、アスピレーションというベンチャー企業が開発した。代表取締役の人見琢也氏は現役の大学院生だ。ネットエイジ・ラボがMyRemixの開発費を出し、企画なども共同して行う。
収益化の方法としては、プログラミングコンテストのプラットフォームや、イントラネット向けのアプリケーション開発環境として企業向けに提供することを検討している。人見氏は「アプリケーション開発のインフラを目指す」と語る。
多くのユーザーに利用されることで、アプリケーションが出力するRSSフィードやメールに広告を表示することも視野に入れているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力