鼻歌でも音楽を探し当てる「midomi.co.jp」日本公開

瀬井裕子(編集部)2007年08月09日 21時36分

 Melodis Corporation(メロディス・コーポレーション)は8月10日、独自開発の音声検索技術を活用した音楽SNSを公開する。2007年1月に公開された英語版「midomi.com」の日本向けサービスで、日本で今後サービスを拡大していく第一歩となる。

 音楽SNS「midomi.co.jp」では、独自開発の音声検索・音声認識技術「MARS(Multimodal Adaptive recognition System:複合適応認識システム)」を核としたサービスを提供する。MARSは、人の声と人の声をマッチングさせる音声認識の検索エンジン。この技術により、利用者は歌の一部分を口ずさむだけで、その曲をmidomi.comのデータベースから検索できる。歌詞が分からない場合でも、ハミングだけでも検索できる。複数の特徴から照合するため、メロディーが同じで違う歌詞の曲でも照合できるのが特徴だ。

 midomi.co.jpは、自分が歌った音声を登録することもできる。利用者が音声を登録することで、midomi.co.jpにさまざまな音楽の音声ファイルが登録され、音楽データベースとして機能することを目指している。

 midomi.co.jpを利用するために会員登録などは必要ないが、利用者は自分のプロフィールを設定することができ、他の利用者とのコミュニケーションをとるSNSとしても機能する。

070809_midomi.jpg現行の英語版のサービスで、積極的に音声ファイルを登録している日本人利用者もいる。

 midomiは2007年1月に英語版を公開し、世界200カ国で利用されている。現在10万曲が登録されており、毎日1000〜3000曲ずつ登録が増えているという。

 日本版のサービス開始にあたり、音楽ダウンロードサイトの「Listen Japan」と提携。40万曲のタイトルやアーティスト情報、歌詞などのデータの提供を受け、オンライン楽曲販売もできるようにした。また、ストリーミングの配信をするために、著作権を管理するJASRACともライセンス契約を結んでいるという。

 同社は、midomi.co.jpの提供にあたり、検索のエンターテインメント性を重視している。利用方法として、ある利用者が登録した音声ファイルを他の利用者が聞き、セッションなど両者の合同演奏として編集を加えたファイルを再登録するなど、さまざまな利用方法を提案していくという。

 音声ファイルのデータベース登録についても、利用者が「優秀なパフォーマーとして発見されたい」「音楽データベース作りに貢献したい」という動機で登録するなど、いわばWikipediaのような利用方法を想定している。

 また、日本は利用者の携帯電話端末利用が最も盛んな市場の一つであり、またカラオケなどで、歌を歌う文化が広く根付いているため、日本でのサービス拡大に注力していくという。今後は、年内を目標に、世界に先駆けて日本で携帯電話でのサービスを開始する見込み。

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