Linux開発者が抱える特許訴訟の負担を取り除く目的で設立された「Open Invention Network」(OIN)という組織にGoogleが名を連ねてきた。
これはOINにとって大きな進展を意味する。Googleは世界最大のオープンソースソフトウェアユーザーであるだけでなく、同団体初のエンドユーザー会員にもなるためだ。IBMやRed Hatなど、同ネットワークのほかの会員は、すべてオープンソースソフトウェアベースの製品を販売するベンダーとなっている。
Googleはこの措置を発表するにあたり、同社がオープンソース、特にLinuxに大きく依存していることを指摘した。GoogleのオープンソースプログラムマネージャーChris DiBona氏は、Googleの公式ブログへの米国時間8月6日付けの書き込みのなかで、「Googleのエンジニアのワークステーションを見ると、たいていはLinuxが走っている。Google.comを検索すると、Linuxサーバが結果を表示する」と述べている。GoogleにとってLinuxの力と柔軟性は非常に大切なものだ、とDiBona氏は語っている。
Googleが同団体の会員になったということは、同社がほかのOIN会員同様、オープンソース関連特許をほかのOIN会員と無償でクロスライセンスすることに同意したことになる。こうすれば、知的財産問題の取り扱いに関しては、会員企業が以前ほど負担をかけずにオープンソースプロジェクトで協力できるようになる。
DiBona氏は先の書き込みで、「われわれにとって、今日の発表はオープンソースコミュニティーとの長く実りの多い関係がまた一歩前進したことを意味する」と述べている。
同氏は、オープンソースを重視した「Summer of Code」トレーニングプログラムの開催や、「Ubuntu Developer Summit」および「Linux Foundation Collaboration Summit」といった社外プロジェクトへの資金提供など、Googleからオープンソースコミュニティーに対する貢献で話題になったものをいくつか指摘した。Googleは、今後もLinux用のパッチを提供し続けるし、これまでにも100万行以上におよぶコードをオープンソース化している、とDiBona氏は語っている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」